キャンピングカーは一般の乗用車に比べて高額な投資となるため、できるだけ価値を維持しながら長く快適に使用したいものですよね。ほとんどの方が将来的に売却や買い替えをする前提で購入を検討されると思います。本記事ではキャンピングカーのベース車両ごとのリセールバリュー、キャンピングカーの価値を維持するためのメンテナンス方法を詳しく解説します。
リセールバリュー(Resale Value)とは、車を購入した後、売るときにどれくらいの価格で売れるかを示す指標です。リセールバリューが高い車は、中古市場での価値が落ちにくいため、手放すときに高く売れる可能性があります。
キャンピングカーは、普通自動車と比べてリセールバリューが高くなる傾向があります。その理由として、まずキャンピングカーは生産台数が少なく、中古市場での供給が限られているため、需要が安定していることが挙げられます。また、近年のアウトドアブームやワーケーションの普及により、キャンピングカーの人気が高まり、中古でも高値で取引されるケースが増えています。さらに、普通自動車は走行距離が価格に大きく影響するのに対し、キャンピングカーは走行距離よりも内装の状態や装備の充実度が重視されるため、年数が経っても価値を維持しやすい特徴があります。そのため、キャンピングカーは長期間使用した後でも比較的高値で売却できる可能性が高いのです。
日本国内でキャンピングカーを購入する際、代表的なベース車両として選ばれるカムロード、ハイエース、デュカトを例に挙げて比較してみましょう。
カムロードをベースにしたキャブコン(トラックベースのキャンピングカー)は国内で高い人気を誇ります。中古市場でも高値で取引される傾向があり、 5年程度経過しても新車価格の約70~80%前後で買い取りされる例が多いとされています。
実際、2019年式のアネックス「リバティ52DB」が2022年に約820万円で買い取られたケースがあり、2015年式(走行約6万km)のバンテック「ZiL480スキップ」でも約586万円で買い取られています。これらは新車当時の価格に対しおよそ7~8割前後の値が付いたことを示し、カムロードベース車両のリセールの強さを物語っています。カムロード自体、キャンピングカー専用シャシーとして耐久性が高いこともリセールが高い理由の一つです。加えて、新車は納期が1年以上になることもあるため、中古車ならすぐ手に入るメリットから中古需要が非常に高く、結果としてリセールバリューも高くなりやすいと言われます。居住空間となる架装部分の価値も時間が経っても下がりにくく、資産価値を維持しやすい点も特徴です。一般的な乗用車が3年で半値、10年で2割以下まで落ちるケースが多い中、キャンピングカーは10年落ちでも半額以上をキープする例もあるとされ、カムロードベースのキャブコンはその代表格と言えます。
トヨタ・ハイエースをベースとしたバンコン(バンコンバージョン)も リセールバリューが高め です。
ハイエース自体の商用車としての信頼性・ネームバリューが圧倒的で、新車・中古問わず需要が根強いことが背景にあります。実際、ハイエースベースのキャンピングカーは中古市場が拡大傾向にあり、新車同様に人気が高まっています。5年落ち程度でも新車時の価格の7割前後で買い取られる例が多く、2019年式(約6年落ち)のハイエースキャンピングカーの買取相場は約590万~675万円と報告されています。これは新車価格(グレードや架装内容にもよりますがおよそ700~800万円前後)に対して約75%前後の水準です。
またビルダーにもよりますが、高品質な架装で知られるトイファクトリー製「バーデン」(ハイエースワゴンベース)などは2年落ちで780万円程度の査定が付いたケースもあり、ほとんど値落ちしていない例もあります。
ハイエースベース車もカムロード同様に架装部分(居住設備)の評価が高く、時間経過による価値低下が小さいことがリセールの強みです。加えてハイエースは国内外で需要が高いため、ベース車両自体の下取り評価も高く維持される傾向があります。
フィアット・デュカトをベースにした欧州製バンコンの一例。広い室内と快適性が人気ですが、新車の納期待ちの長さもあり中古でも高値傾向にあります。
近年、日本でもフィアット・デュカトをベースとした欧州スタイルのキャンピングカーが注目を集めています。デュカトはハイエースより一回り大きなサイズで居住性に優れ、2023年から正規輸入も始まったことで人気が高まっています。新車はオーダーから納車まで1年以上かかることも多く、すぐ手に入る中古車に高い需要が生まれており、その結果リセールバリューも非常に高く推移する傾向にあります。
実際の買取事例を見ると、デュカトベースのキャンピングカーで装備が充実した車両では数年落ちでも900万~1,000万円超の買取価格が付くケースもあります。例えばイタリア製ビルダーのローラーチーム「リビングストーンKJ」(2022年式)はリチウム電池実装車が約900万円~、スロベニア製アドリアの「ツイン640SPB」(2022年式)はエアコンやボイラー付きで1,000万円超~で買い取りされた実績があります。これらはいずれも新車価格とほぼ遜色ない水準と言えます。また、少し年式が古くなる2016年式程度の欧州車でも約600万円前後の査定額が付いた例が報告されており、5年落ちで見れば新車時の60~70%程度以上を維持する個体も珍しくありません。
欧州製キャンピングカーはおしゃれな内装などで根強い人気がある一方、メンテナンス費用が高めになるというデメリットも指摘されています。正規輸入が始まる前の並行輸入車などはメーカー保証や部品調達面の不安から国産車よりリセールが劣る場合もありました。しかし現在は国内ビルダーもデュカトベース車両の製造に参入し始め、市場が活性化しています。適切にメンテナンスされたデュカトベース車両であれば、高い人気と相まって5年後でも高水準の買取価格が期待できるでしょう。
キャンピングカーの外装は、風雨や紫外線によるダメージを受けやすいため、定期的なケアが必要です。
① 定期的な洗車とワックス掛け
② 屋根やシーリングのチェック
③ サビ・キズの早期修復
キャンピングカーの内装は、使用頻度が高いほど劣化しやすく、買い手にとっての評価ポイントになります。
① 定期的な清掃と換気
② 家具や装備の点検
③ 匂い対策
キャンピングカーの走行性能を維持し、将来的な故障を防ぐために、以下の点をチェックしましょう。
① エンジンとオイル管理
② タイヤの状態確認
③ ブレーキ・サスペンションの点検
キャンピングカーにはさまざまな設備が搭載されているため、故障しないように定期的な点検が必要です。
① バッテリー・電装品の管理
② 水回り設備の清掃・点検
③ 冷蔵庫・エアコン・ヒーターのメンテナンス
リセールバリューを維持するためには、定期的な点検やメンテナンスの記録を残しておくことも大切です。
しっかりとしたメンテナンス記録があると、売却時の信頼性が向上し、査定価格アップにつながります。
キャンピングカーは、適切なメンテナンスを行うことで長期間にわたって価値を維持できます。
リセールバリューを維持するポイント
✅ 外装の美観を保つ(洗車・ワックス・シーリング補修)
✅ 内装の清潔感を維持(換気・清掃・匂い対策)
✅ エンジン・タイヤ・ブレーキなどの機械部分の定期点検
✅ 水回り・電装設備の適切な管理
✅ 点検・メンテナンス記録を残して信頼性を向上
キャンピングカーの資産価値を守るために、日々のメンテナンスを欠かさず行いましょう。
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