こんにちは、箱根を拠点に休日バンライフをしているTaK.です。
「キャンピングカー購入、DIY前におさえておきたい話」として「免許の話」「車検の話」をしてきましたが、今回は維持費についてです。
車は購入の際に大きな出費であるのはもちろんのこと、購入した後も税金や車検、保険やメンテナンスなど、いろいろとお金がかかってきます。
多くの人が普段乗っている乗用車であれば、軽自動車は維持費が安い、3ナンバーは維持費が高い、といった程度には意識されていると思います。
しかし実は車のナンバー(使用区分)によって、乗用車、貨物車、キャンピングカー(特殊車両)で、これらの維持費が大きく変わってくるんです。
▼使用区分について、詳しくはこちら
車を購入してから後悔しないように、購入前に維持費についてしっかり確認しておきましょう。
【紹介する内容】
今回はそれぞれの維持費をわかりやすくするために、ベースとなる車を揃えて計算します。
まずは我が家の所有するボンゴブローニイ。マツダボンゴの上位車種でロングボディーですが、5ナンバー(普通乗用車)と4ナンバー(小型貨物車)に分類されています。乗用のワゴンと貨物のバン、同じ車体で2タイプが販売されていたので、こちらのボンゴブローニイ(排気量1998cc)で価格を比較していきます。
そしてキャンピングカーについてですが、同じくボンゴ(トラック)をベースにした有名なキャンピングカーで計算をしたいと思います。
ボンゴブローニイ ワゴン
乗車定員9名 車両重量1,400kg 総排気量1998cc
ボンゴブローニイ バン
乗車定員6名 車両重量1,500kg 最大積載量1,250kg 車両総重量2,830kg 総排気量1,998cc
キャンピングカー
乗車定員7名 車両総重量2,395kg 総排気量1,800cc
▼用語解説
車両重量:荷物などを全て下ろした状態での、車本体の重量。
乗車定員:車に乗車できる定員。重量を計算する際は、1人あたり55kgで計算される。
最大積載量:貨物自動車にのみ設定されている、荷物を積載可能な重量の上限。
車両総重量:車両重量に乗車定員×55kgと最大積載量を加えた重量。定員いっぱいまで人が乗って、上限ギリギリまで荷物を積んだ時のその車の重量。乗用車やキャンピングカーには最大積載量の設定がないため、車両重量と乗車定員の2つだけの合計値。
ナンバーによって一番大きく違いが出るのが自動車税です。毎年春に自宅にハガキが届いて支払いをしていますよね。
車にかかる維持費の中でも大きな割合を占めているので、毎年春に届くこのハガキを憂鬱な気持ちで受け取られている人も多いと思います。
実はこの自動車税、乗用車、貨物自動車、キャンピングカーでそれぞれ算出方法が違っており、中でも荷物を運ぶための貨物自動車は税制面で優遇がされています。
①5ナンバー(乗用車)の自動車税は車の排気量によって算出されます。ボンゴブローニイ(ワゴン)の排気量は1,998ccなので、自動車税は39,500円となっています。
②4ナンバー(貨物車)の自動車税は最大積載量によって算出されます。ボンゴブローニイ(バン)の最大積載量は1,250kgなので、自動車税は11,500円となっています。
③8ナンバー(キャンピングカー)の自動車税は乗用車と同じく排気量によって算出されますが、同じクラスの乗用車と比べて2割程度安く設定されています。排気量1,800ccのキャンピングカーの自動車税は31,600円となっています。
①と②を比較すると年間で28,000円の差が出ています。本来は荷物を運ぶための車ということで、税制面でかなり優遇されていることがわかります。
自動車税と並んで車の維持費で大きな割合を占めるのが車検の費用。
車検の際に支払う金額は、大きく4つに分かれます。
まずは業者に頼む際の手数料、車検に合格できるように整備する費用、そして車検と同時に支払わなければならない、重量税と自賠責保険の費用です。
整備費用に関しては車の状態やどこまで整備を頼むかによって大きく変わってくるので、ここでの比較は割愛します。
ここでは車検費用、重量税、自賠責保険の費用について比較していきます。
##4ナンバーは車検の有効期間が短い?
車検にかかる費用の比較の前に、1つ注意しておかなければならないことがあります。常に重たい荷物を積んで走ることが想定される貨物自動車は、毎年車検を受けることが義務付けられています。(乗用車やキャンピングカーは2年に1回)
つまり4ナンバーでは車検費用、重量税、自賠責保険の支払いが毎年発生します。その代わり1回ごとの支払い金額は安くなるのですが、このままでは比較が難しいので乗用車やキャンピングカーにかかる費用を半分にして、1年あたりの金額として比較をしていきます。
多くの人が車検時にディーラーや業者を経由していると思いますが、約25,000円程度の手数料が取られます。
この手数料は車検1回ごとに必要なので4ナンバーでは毎年25,000円かかりますが、5ナンバーや8ナンバーでは2年に1回25,000円なので、1年あたり12,500円で済みます。
そしてもう1つ、車検の際に必要になる印紙代。こちらは車検1回ごとに1,800円かかります。車検の手数料と同じく、4ナンバーでは毎年1,800円かかるところ、5ナンバーと8ナンバーの車は2年に1回1,800円なので、1年あたり900円となります。
続いて車検の際に支払いが必要となる自動車重量税。2年間の支払い金額を比較していきます。
①5ナンバー(乗用車)の重量税は車の車両重量によって算出されます。ボンゴブローニイ(ワゴン)の車両重量は1,400kgなので、自動車税は24,600円となっています。1年あたりの負担額は12,300円となります。
②4ナンバー(貨物車)の重量税は車両総重量によって算出されます。ボンゴブローニイ(バン)の車両総重量は2,830kgなので、自動車税は1年で12,300円です。
③8ナンバー(キャンピングカー)の重量税は車両総重量によって算出されます。車両総重量2,395kgのキャンピングカーの重量税は24,600円となっています。1年あたりの負担額は12,300円となります。
今回の試算では①②③とも同じ金額になってしまいましたが、4ナンバーの車の方が平均して2,000円程度安くなると言われています。
重量税と同じく車検の時に支払いが発生する自賠責保険。こちらはナンバーによる差は小さいのですが、保険加入期間による割引額が大きな差を生んでいます。保険加入期間は次の車検までと決まっているので、1年ごとに車検のある4ナンバーは自動的に割高になっています。
①5ナンバー(乗用車)の自賠責保険は2年間(24ヶ月)で21,550円となっています。1年あたりの負担額は10,775円となります。
②4ナンバー(貨物車)の自賠責保険は1年間(12ヶ月)で15,050円となっています。
③8ナンバー(キャンピングカー)の自賠責保険は2年間(24ヶ月)で24,020円となっています。1年あたりの負担額は12,010円となります。
1つ1つの項目の比較が終わったので、ここで1年間を通してトータルでかかる維持費を比較してみましょう。
自動車税+(車検手数料+印紙代+重量税+自賠責保険)
①5ナンバー 39,500円 + (12,500円 + 900円 + 12,300円 + 10,775円)
= 75,975円
②4ナンバー 11,500円 + (25,000円 + 1,800円 + 12,300円 + 15,050円)
= 64,750円
③8ナンバー 31,600円 + (12,500円 + 900円 + 12,300円 + 12,010円)
= 69,310円
ネット上でもよく「キャンピングカーは税金が安い」とか「4ナンバーに登録変更して維持費を安くする」といった情報を見かけますが、こうして比べてみると思ったほど差がなくて拍子抜けされたのではないでしょうか?
確かに以前は8ナンバーが現状よりもさらに税制面で優遇されている時代もありました。しかし一時的に8ナンバーの基準に改造し検査後に元に戻すような不正が横行してしまい、8ナンバー登録の基準が厳しくなり、税制面での優遇も縮小されてしまいました。
結果、現状ではナンバーによる維持費の違いはそれほど大きくないといった状態です。
いかがだったでしょうか?
車種によって差はありますが、ナンバーによる維持費の差は思ったほど大きくないことがお分かりいただけたと思います。
車やナンバーの特徴を把握して自分の用途に合った車を選ぶのか、自分がどんなバンライフ、車中泊をしたいのか。
これを踏まえて、わずかな維持費の差で後悔しないように、やりたいことに合わせた車を選んでバンライフを楽しみましょう!
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