2021年、Carstayは、広島県三原市、同市事業者との連携役を担い地域の魅力を現場から発信を行う株式会社KOTOYA(本社:広島県三原市、代表取締役:泉 太貴)と「三原車内寝泊計画」を立ち上げ、「啓蒙活動」をメインに実証実験としてプロジェクトを始動しました。
※バンライフ: 車を通じた旅や暮らしにより、“人生を豊かにする”ことを目的として、荷台スペースが広い車“バン”やキャンピングカーを家やオフィスなどのように作り変え、車を旅行・働く・遊ぶ・暮らしの拠点とする新たな“ライフ”や旅行スタイル。「バンライファー」は「バンライフ」を実行する人々。
2022年度は、同市内の商店街含めた事業者とも密に連携し、8月開催予定で毎年約40万人が参加する中国地方を代表する夏祭り「三原やっさ祭り」、11月の「紅葉」など、季節や三原現地で開催するイベントを軸に、「三原車内寝泊計画」の活動を展開し、滞在型観光を促進。繁忙期の宿泊施設の不足、市内に分散する山や海が豊かな自然の観光資源への交通手段をCarstayで解消するよう、三原市内でCarstayを基盤にした活動を展開します。
三原市内の活動現場には、2021年と同様、キャンピングカーを基盤にした“動くオフィス”を設置し、営業活動を展開。市内事業者と密にコミュニケーションをとりながら、現場重視型で活動を進めます。
Carstayではこれまで全国で温泉旅館施設を運営する事業者とも連携して、同社が提供する車中泊スポットのスペースシェアを展開。Carstayに登録する運営事業者の独自アンケート調査によると、キャンピングカー旅行者の世帯年収は1,000~1,500万円、平均2.6人で2泊3日間旅行し、1度の旅行で約5万円以上(滞在先と周辺で利用する費用)を消費しています。また、温泉旅館のCarstay車中泊スポットで車中泊時、車中泊、料理、温泉などの施設利用料含め平均約16,300円の売上を得ています。
そこでのノウハウを活かし、三原市内でCarstayを拡大すると共に、祭りごとなどの季節的イベントにあわせて「三原車内寝泊計画」を三原市内の事業者と連携して実行することでの相乗効果を狙います。
今後も主に、三原市の①観光振興、②関係人口の創出、③産業振興や地域活性化と市民サービス向上を目指すことを目的に、バンライフを介した具体的な取り組み内容や実施方法を検討・実施し、2024年までに三原市で「バンライフ」の活動が定着するよう取り組みます。
< 参考情報: 「三原車内寝泊計画」について >
Carstayは2021年10月、広島県三原市でキャンピングカーでの旅行を中心とした三原市での滞在型観光の定着を目指し関係人口の増加を図るプロジェクト「三原車内寝泊計画(みはらしゃないねとまりけいかく)」を発足・実施しました。
2021年に三原市で実施した「三原車内寝泊計画」は、Carstay、KOTOYA、三原市が中心となり、①民家・商店・事業所・キャンプ場・温泉旅館・ホテル・シェアハウスなどの駐車場や空きスペースを車旅人/バンライファー向けの車中泊スポットとして拠点を整備、②それに加え地域ならではの体験を発掘、③広島県内をはじめ、関西や九州地域など、広島県周辺地域でカーシェアできるキャンピングカーの登録・利活用を促進、④そして、地元住民にバンライフに関する啓蒙活動を行うプロジェクトです。これにより、キャンピングカーでの旅行を中心とした三原市での滞在型観光の定着を目指し、関係人口の増加を図ります。
三原市で持続可能な新たな旅スタイルとして、バンライフを根付かせることで、広島県の課題となっている旅行者の滞在日数を延ばし、観光消費の増加を図り、将来的には「定住」も視野に入れた取り組みを目指しています。三原市では繁忙期に宿泊施設が不足、市内に分散する山や海が豊かな自然の観光資源への交通手段が少ないことから、旅の“足”となる従来の移動手段に加え、車内で就寝・仕事が可能なプライベート空間を持つ“動く家”“動く宿泊部屋”“動くホテル”となるキャンピングカーなどの車中泊仕様の車を“動く拠点”とし、“泊められる”空き駐車場を登録できるCarstayのITプラットフォームを活用します。また、地元の温浴施設、飲食店、スーパー/商店などの既存のインフラ施設と連携することで、新たな施設に莫大な建設や運営費用をかけることなく、長期にわたり、持続可能な地域観光基盤を確立することが可能となります。
Carstayは2021年4月から11月までの期間で、広島県内外の企業や人材が様々な産業・地域課題の解決をテーマとして実証実験を行う「ひろしまサンドボックス」のデジタル技術を活用した課題解決につなげるアイデアを募り、その実証実験を行う「D-EGGSプロジェクト」(約400件の応募に対して30事業の採択)に約1,300万円で採択されました。
近年、地方の人口減少、それに伴う税収の減少が避けられない中、地域経済の活性化には地域の価値を高め、“稼ぐ力”を向上させることが喫緊の課題です。来訪者を増やし、消費活動を活性化することが求められています。しかし、三原市では観光スポットが点在し、公共交通手段によるアクセスが弱いことから地域への集客が難しく、来訪者の滞在時間を確保できないという課題を抱えていました。このため、今回「バンライフ」を通した「Local Vanlife Project」の一環として「三原車内寝泊計画」を発足。三原市でこの「車内寝泊計画」を幅広く推進するために、三原市とCarstayはモニターツアーやプロモーション活動を実施しました。
2021年10月~11月、CarstayはKOTOYAと共に、三原市内で、①旅慣れした女性5名による車中泊体験と魅力発信「カメラガールズ・フォトウォーク」、②15組合計40名が参加したキャンピングカーで巡る離島体験「三原市離島佐木島体験会」、③広島市と大阪府出身の3組家族合計11名によるキャンピングカーでの車中泊旅「都市部ファミリー農業体験」の合計6日間の三原市の魅力と車中泊体験イベントを企画・実施、④三原港、三原市役所、三原駅前広場、ショッピングセンター「フジグラン三原」や「イオン三原店」、旧和木小学校でのマルシェなどの会場では合計13日間、地域住民 約500人以上に、キャンピングカー/バンライフの認知拡大を図るための活動を実施しました。
Carstayの営業責任者や他スタッフは延べ約3カ月間、三原港含め三原市内に、Carstayのキャンピングカーを駐車、ホテルなどの宿泊施設などではなく、そこを“出張現場”と“暮らし”の拠点並びに事務局にするなどして、現場に重視した活動を展開しました。
また、情報発信面では、「三原車内寝泊計画」専用サイトの立ち上げ(https://carstay.jp/ja/vanlife/mihara)、加えて「カメラガールズ(http://www.mihara-jyoshitabi.com/)」と連携した記事制作、現場での写真撮影、広報活動なども行いました。
三原市内での認知拡大を図るための活動現場で、三原市民約110人向けに行ったアンケート調査によると、9割以上が、バンライフや車中泊プロジェクトを「歓迎」「期待する」と回答。実証実験の活動の結果、バンライフでの地域活性化プロジェクトを介した、観光振興や関係人口の創出などに対して、前向きな見込みがあったことから、2021年11月、三原市、KOTOYA、Carstayは包括連携協力協定を締結しました。
密になりがちな交通手段や宿泊施設などを避けてプライベートな空間/“動く宿泊部屋”となる“足”や“宿”として、旅行ができるキャンピングカーでの旅行スタイルは、コロナ禍でも自由度が高く、安心安全で快適な旅を確保することができます。バンライフの旅行スタイルは、新型コロナウイルス感染拡大防止のための3密(密閉・密集・密接)を避けることができ、公共交通機関・宿泊施設が少ない地域で、自由な車旅を楽しむことができる、コロナ収束後の時代に求められている新しい旅行手段です。災害時ではキャンピングカーを防災インフラとして活用した地域貢献活動にも取り組めます。
キャンピングカーの2021年の国内総保有台数は約13万6,000台となり、10年間で3倍に増加(一般社団法人日本RV協会調べ)。旅の新しい移動手段や“動くホテル”になるとして、需要が高まっています。
Carstayはサービス開始わずか約3年で、車中泊スポットとキャンピングカーの“バンライフ”シェアサービス事業を展開する先駆者として、全国各地に車中泊スポットを320箇所に、キャンピングカーなどの車中泊仕様の車のカーシェア登録車両を285台に拡大し、バンライフ事業で国内最大のプラットフォームを構築、車中泊スポットと車両所有者と密に連携して、サービスの拡充を図ってきました。
Carstayのバンライフ・プラットフォームを利活用することで、バンライファー/キャンピングカーなどを使う旅行者は、有名な観光地だけでなく、地方の新たな観光スポットや文化の魅力、“眠った”魅力的な観光資源を再発掘することができ、地方経済の活性化にもつながります。
新たな旅のスタイル「バンライフ」による観光促進や、ワーケーション促進による関係人口の増加は、既存の遊休観光スポットや社会インフラを工夫して利活用し、最小限の観光投資で実現可能なため、施策としても有効です。
Carstayではバンライフを実践しやすいプラットフォーム環境の整備を全国で進めると共に、三原市でのバンライフの事業を本格化させ、広島県内や中国地方への「Local Vanlife Project」の波及効果も視野に入れ、取り組んでいます。