2人で脱サラをし、2020年9月より日本の全市町村1732箇所を巡る旅を始めました。 旅の目的は、「事情があって旅行ができない方」に向けて、日本全国の絶景をVRカメラで撮影をし届けるためです。 普段は、ルーフテントで寝ています。よく食べ、よく笑う元気なふたりです。よろしくお願いします!
車旅やバンライフは魅力ある旅の手段の一つですが、旅をするためにはどうしてもお金が必要になります。
「旅をしながら仕事ができたらなぁ」そんなことを考えたことはありませんか?
昨年、この思いが叶う素敵なサービスに出逢いました。その名も「おてつたび」です。
2021年夏に桃の収穫の体験をしてきたので、今回の記事ではその時の内容をご紹介します。
・旅をしながら仕事をしたい
・知らない土地で経験したことのない仕事をしてみたい
・知らない地域の人々と交流してみたい
そんな方の参考になったらと思います。
「おてつたび」とは、人手不足で困っている地域と地域で働きたい若者を繋ぐお仕事マッチングサービスです。
※おてつたび公式サイトはこちら
・農家のお手伝い
・旅館、民宿、ホテルのお手伝い
・キャンプ場、グランピング施設、シェアハウス、ゲストハウスのお手伝い
おてつたびにはいろんな仕事がありますが、今回私たちがお世話になったのは岐阜県飛騨市の果樹園。
感じたことは、「部外者」ではなく「一緒に繁忙期を乗り越える仲間」のような感覚で働かせてもらえるということ。
参加したのは2021年7〜8月の3週間。この期間が終わる頃には第二の故郷のような温かい場所となっていました。
おてつたびを知ったきっかけはインターネット検索。「こんな素敵なプラットフォームがあるんだ」と目から鱗でした。
特に魅力を感じたのは以下の点でした。
・自分が経験したことのない仕事にも思い切って挑戦することができる
・一緒に働くことで、知らない土地で初めて会う方々と繋がりを持つことができる
・募集お手伝い期間が1か月以内のものが多く、旅の予定と合わせやすい
訪れた場所は、岐阜県飛騨市の黒内果樹園さん。
お客さんの中には遠方から足を運んで買いにくる方もいるほど、甘くて美味しい桃を作っています。
今回のおてつたびでは、そんな桃の収穫に関わる全般のお手伝いをしてきました。
8:00 朝礼
8:10 桃の収穫に関わる仕事
10:00 休憩
10:20 桃の収穫に関わる仕事
12:00 お昼
13:00 桃に関わる仕事(林檎の摘果)
15:00 休憩
15:20 桃に関わる仕事(林檎の摘果)
17:00 仕事終了
収穫自体は基本的に農家の方々が行うので、私たちは収穫した桃を入れるバケツを運んだり、コンテナに桃を詰めたりするお仕事をしていました。果樹園では5種類の桃が育てられていて、収穫の時期が品種によって違います。収穫を迎える前は、桃が美味しく育つように行われる仕事がたくさん!
まずは除袋(じょたい、袋はぎのこと)作業です。虫や病気や風から守るためにかけられた袋を、桃に光を当てるために取り除きます。袋の隅を手で引っ張ると赤い袋が外れるのですが、高い脚立を乗り降りする作業なので、暑い夏の日はかなり体力がいります。
桃が色づくのは、実は太陽の光によるもの。綺麗に色がつくよう、木の下にはシルバーシートを敷いています。桃の果実に綺麗に色がついたら剥がします。
このシルバーシート貼りは、釘を打って固定し、外す際にはバールで抜いていきます。暑い中シルバーシートからの太陽の照り返しと闘いながら中腰での作業。普段作業されている農家のみなさんも気合が入ります。
桃はデリケートなので、収穫の際にはスポンジの上に並べて傷がつかないように運びます。また、水にも弱いので雨の日の収穫の後には、濡れてしまったスポンジの洗濯と乾燥をします。次に収穫するときに困らないように準備するのも大切なお仕事です。
桃農家さんは収穫以外にもお仕事がたくさん。
1年を通して桃を育てるので、私たちが経験した夏の作業は一部に過ぎませんが、少しだけ、農家さんのお仕事の大変さを知ることができました。
黒内果樹園さんでは、林檎も作っています。秋から冬にかけて収穫するので、その準備も夏に行います。
摘果では
・林檎同士がぶつかり傷つけ合わないように
・林檎ひとつひとつに栄養が行き渡るように
実の数を少しずつ減らしていきます。
毎日の天候や桃の状態によってお手伝い内容が異なります。農業と天候は密接に関係しているのだと身をもって感じました。
地元では当たり前でも、他県の人にとっては驚くことがあったりしますよね。
私たちもびっくりしたことがたくさんありました。
おてつたびで初めて訪れた岐阜・飛騨。
仕事に入ると「飛騨弁は早口で喋るからキツく聞こえるかもしれないけど、みんな優しい人ばかりだから」とにこやかに話す組合長。
その日から3週間お世話になりましたが、本当に優しい方ばかりでした。
特に嬉しかったのは、私が皮膚が弱く荒れやすい体質だと知って桃の葉をくださったこと。お風呂に入れると効果があるからと持たせてくださったのです…!感謝の気持ちでいっぱいでした。
「スイカがたくさん採れたから明日持ってくるよ。スイカ家で育ててない人?」
…はい、「スイカ家で育ててない人」です(笑)
岐阜のかたは農作物を自分で育てているかたが多いそう。翌日、小玉スイカを2つもいただきました。
地方に行くと知らない言葉を聞く機会が増えます。農園のかたともたくさんお話しする時間があったので方言を教えていただきました。
「暑かったからベタベタになったやろ」
“ベタベタ”という言葉、岐阜では、「液体物などで体や物が濡れてしまった」ときにも使う言葉でした。静岡に住んでいる私は、物が粘りつくときの擬音語として使っていたので面白かったです。
「そこにあるコケ見てみい」
そう言われて盆栽などにある「緑の苔」をイメージして辺りを見回しましたが見つかりません。それもそのはず、コケとは、“きのこ”のことだったのです。違う呼び名があるなんて方言は本当に面白いなと感じた瞬間でした。
今回のおてつたびで感じたことをご紹介します。
普段スーパーで野菜や果物を購入することはありますが、それらが店頭に並ぶまでどんな過程を経ているのか少しだけ知ることができました。
食べ物を無駄にしてはいけないし、感謝をしていただきたいという気持ちが強くなりました。
普段消費者として生活していると、多くの場合、買い物の場面でしか作物に触れる機会がないと思います。
私たちは今回、桃が出荷されるまでにたくさんの作業と苦労があることを知りました。
「収穫のために1年間準備するのは大変ではないですか?」と尋ねると、「この収穫があるから頑張れるんだよ」と教えてくれた組合長。
“たくさんの苦労があるからこそ美味しいものができる”。農業。
桃はデリケートで、害虫や天候から大きく影響を受けやすい果物。
みんなで一生懸命作業をして無事収穫できた桃は、甘くてジューシーでとても美味しかったです。
おてつたびのサイトで募集のあるお店や宿泊施設、農家さんの多くは繁忙期を迎えています。
その背景をしっかりと受け止めた上で、自分達にできる最大限のお手伝いをしようと心がけ一緒に働かせてもらっていました。
有り難いことに「よく働いてくれている」「本当に助かる」などのお言葉をかけていただき、暑い夏の中一緒に作業をして達成感を味わうことで、農家のかたとの距離が縮まりました。
年が明けて今年の1月、果樹園を再び訪ねてみると昨年の夏とは全く違う雪景色となっていました。
おてつたびで出会った方々が温かく迎えてくれ、働くこと以上に貴重な縁ができたことが本当に嬉しく、改めて、参加してよかったと思いました。
何もなさそうに見える地域ほど面白い。知らない地域に行くから楽しい。おてつたびに行ってくれた方々が、お手伝いを通じて地域にぐっと入り込み、何か素敵な発見や経験をたくさんして、気づいたら自分にとっての特別な地域になって戻ってくる、そんな新しい旅の形を提案できれば本望です。(おてつたび公式サイトから引用)
おてつたび代表の永岡里菜さんの言葉です。
おてつたびはただ働くだけでなく、それ以上に得られるものがとてもある素敵なサービス。新しい旅のかたちを見つけたい方、ぜひおてつたびに参加してみてはいかがでしょうか。きっと旅を豊かで思い出深いものにしてくれます。
今回お世話になった黒内果樹園さんのおてつたびページはこちら。
2人で脱サラをし、2020年9月より日本の全市町村1732箇所を巡る旅を始めました。 旅の目的は、「事情があって旅行ができない方」に向けて、日本全国の絶景をVRカメラで撮影をし届けるためです。 普段は、ルーフテントで寝ています。よく食べ、よく笑う元気なふたりです。よろしくお願いします!