犬がクルマの窓から顔を出しているようすを見たことはありませんか?実は、これは愛犬にとってとても危険な行為なんです。
窓から顔を出さなくても、車内で犬を自由にさせることには大きなリスクがあります。過去には、悲しい事故もたくさんおこっているんですよ。
そこで今回は、筆者が大切な愛犬を安全にクルマに乗せるために使うべきだと考える、4つのアイテムをご紹介していきたいと思います。
クルマで愛犬とおでかけをする予定があるかたは必見です!
これまでも筆者は、犬を車内で自由にするのは危険!ということを、記事やSNSなどで繰り返し発信してきています。
しかし、このメッセージに理解を示すかたが多い一方で、実際に犬を安全な方法でクルマに乗せているかたは少ないのが現状です。
過去には、愛犬を膝の上に乗せて運転していたり、窓から顔を出させていたことで道路交通法違反で逮捕された事例があります。また、高速道路のパーキングエリアで犬が脱走して亡くなってしまったという悲しい出来事もありました。
車外に向かっての警戒吠えや興奮にもつながりますし、食べ物やゴミの誤飲、脱走の可能性もあります。クルマに乗る際、子どもをチャイルドシートに乗せて安全に移動するように、ぜひ大切な愛犬にも「安全」を提供してあげてください。
そして愛犬の楽しい自由時間は、クルマを降りた後で思う存分満喫させてあげてくださいね!
犬の安全面を考えた時に1番おすすめしたいのが、「クレート」や「ケージ」です。クレートは、硬い素材でできたハードクレート、柔らかい素材でできたソフトクレートの2種類があります。
「ハードクレート」は硬くて頑丈なため、比較的衝撃に強く、愛犬が車内で安全に過ごすことができます。
扉は左右のどちらか、片方から開くものや、両開きのもの、上・前・後ろから出入りができるものなど、さまざまなバリエーションがあります。色やサイズも多くの種類があるんですよ。
折り畳めるハードクレートも販売されており、持ち運びに便利な商品も多数販売されています。
強度は商品により異なりますが、クルマに乗せる際におすすめなのは「IATAの安全基準をクリア」と記載のある商品です。これは、国際航空輸送協会が定めた、ペットを安全に航空輸送するための基準をクリアしているということ。
ハードクレートを購入の際は、ぜひチェックしてみてください。
ハードクレートのデメリットは、クルマの大きによっては車内に入らないことがあるということ。クレートが車内に入らない場合は、座席を倒してその上にケージを置くか、その他のアイテムの使用を検討してみてくださいね。
「ソフトクレート」は布製のクレート。軽くて折り畳みができるため、持ち運びが簡単です。メッシュ素材のものが多く、抜け毛が車内に散らかりにくいのが特徴になっています。
愛犬をのせる頻度が少ない方や、車内にケージを置いておくスペースがないかたに特におすすめです。キャンプなどのアウトドアシーンやドッグスポーツでは、一時的に犬を待たせる場所としても重宝されているんですよ。
しかし耐久性が低いこともあり、強い衝撃が加わったり犬がクレートをかじってしまった場合、ファスナーやチャックを破壊して脱走することがあります。一度脱走が成功すると、再度脱走を試みるのがイヌゴコロ。脱走は一度もさせないようにしたいですね。
また、メッシュ素材であっても通気性は悪く、クレート内に熱気が滞留しやすいです。熱中症の観点から、夏場の使用はあまりおすすめできません。
上写真の「ケージ」もおすすめ。
※「クレート」とひとまとめでケージとよばれることもあります。
ケージはスチールや金網でできているものが多く、ソフトクレートより強度が高いとされています。クレートと比べて風通しがよいため、夏場も使用OK。給水ボトルも装着可能なため、お水をこぼすことなくいつでも給水することができますよ。
折り畳みができるので、使わないときは畳んで車内の隙間に収納しておくことも可能です。
しかし、万能なケージにもデメリットがあります。それは「音」に関する問題。本体がスチールや金網でできているため、愛犬が動く度にガシャガシャと音が鳴り、慣れないうちはこの音を怖がる可能性があります。
また、通気性が良い反面、車内に毛が散りやすいといった問題も。これに関しては専用の「ケージカバー」を利用することで、解決することができますよ。
次におすすめする「ドライブボックス」や「ドライブベッド」は、座席に固定して使う箱状のアイテム。
「ドライブボックス」には、愛犬が顔を出すことができる箱状のものと、チャックなどで全体を囲えるものがあります。全体を囲える分、後者の方が比較的安全といえます。
ドライブボックスは、キャリー部分が分離するタイプの、ペットカートのキャリーで代用することもできます。ご自身でペットカートをもっている場合には、代用ができないか確認をしてみてください。
「ドライブベッド」は、犬用のベッドが座席に固定できるようになったものです。クルマの座席部分に取り付けるだけなので、手軽に使うことができますよ。
ドライブボックスとドライブベッドは、どちらも軽くて持ち運びやすく、洗濯も可能。ふかふかしていて犬も休みやすいですし、デザインも可愛いものが多いことから、最近人気が高まっています。
ケージに慣れていない犬や分離不安の犬も、飼い主のようすが見えるので安心するようです。
しかし、残念ながらこの2つのアイテムも、安全性は低い傾向にあります。
助手席に設置した場合、エアバックが展開した際の衝撃でケガを負ったり、最悪死亡してしまうこともあります。設置する位置も考える必要がありそうです。
「ドライブシート」は、助手席や後部座席に掛けて使う専用の犬用シート。メッシュ素材や撥水加工が施されたもの、丸洗いが可能なものなど、アイテムごとに特徴はさまざまです。
愛犬の大きさや頭数を問わず使うことができますし、シート上に人と犬が一緒に座ることができる形状の商品もあります。人の乗る場所を確保しながら愛犬を乗せることができるのは、大きなメリットです。
その他にも、車内の汚れを防止したり、愛犬による運転妨害を防ぐことができたり、すぐに片付けられるなど多くのメリットがあります。クレートやケージに入る練習がまだできていない愛犬にもおすすめです。
しかし、愛犬の固定はできないため、衝突や急ブレーキの衝撃で車外放出したり、脱走の危険性もあります。ドライブシートを使う際は、危険を避けるためにも、愛犬の近くでようすを確認するようにしてください。
「犬用のシートベルト」や「ハーネス」もおすすめです。
犬用のシートベルトには、車内のシートベルトのバックルに直接つけるタイプと、カラビナなどで取り付けるタイプの2種類があります。
メリットは、アイテム自体が小さく持ち運びが簡単なことと、どんなクルマや犬でも使うことができる点です。しっかりと係留がされていることから、脱走予防にもなります。
しかし、事故などでクルマに衝撃がおきた場合には、犬の体に直接負担がかかります。安全面を考えると、移動中の使用はあまりおすすめできません。また「シートベルトを噛みちぎっていた。」という事例もあるため、愛犬から目を離すときには注意が必要です。
あくまで「車内での休憩中に、そばに居てもらうときに使う」という認識でいるのがよいでしょう。
愛犬をクルマに乗せる上で安全性が高いのは「クレート」や「ケージ」なのですが、経験のない犬がいきなり入るのは、なかなか難しいものです。
まずはファーストステップとして、今回ご紹介したアイテムのいずれかを使い、クルマに乗せてみてください。車酔いをする愛犬は、必ず事前に動物病院に相談をしてくださいね。
ライフスタイルや犬の性格によって使いやすい商品は異なります。ぜひ今回の記事を参考に、愛犬に合ったグッズ選びをしてみてください。
あなたと愛犬がずっと楽しくおでかけできることを、心から願っています。