今回お話を伺ったのは、海外でのバンライフ経験もあるピッ子さん。趣味のセーリングを満喫すべく、日本の美しい海を巡る旅をされています。
関東出身のピッ子さんが海外に飛び立ち、そして帰国後に日本の魅力にどっぷりハマるまでのエピソード、そして現在のバンライフの様子を聞かせていただきました!
ワーキングホリデーで、オランダを中心にヨーロッパ圏で9年の海外生活を経験しました。
海外生活5ヶ月目に車を迎えたことにより、行動範囲が一気に広がりました。ヨーロッパ時代の愛車はルノー・エクスプレスです。改造車で、通勤などの普段使いと、長期のバカンスでの移動手段としての役目をこなしてくれました。
ポルトガルやスカンジナビア、クロアチアの島々にも訪れることができ、長旅でしたが印象に残っています。
もともと運転が得意なほうでなかったので、マニュアル車の運転は面倒に感じていました。しかし滞在先のオランダではマニュアル車が当たり前。オートマ車は老人向けというイメージが強い地域でした。
心を決めてマニュアル車を購入。人生初のマイカー、そして私の愛車となりました。
日本に帰国して数年は、職探しに困らないだろうという理由で、都会で生活していました。
実際生活は楽しかったのですが、もともと島が好きで「海の近くに住みたい」という思いが大きくなり、鹿児島県内のある島に移住することにしました。
クルマを所有していなかったので、最初はクルマなしでも苦にならない場所を検討しました。手頃なお値段で、 走行距離も少ないバンに出会えれば、その時は迎えようかぐらいのスタンスでした。
そこから軽バンを探していたところ、三菱のミニキャブバンとの出会いがあり、購入しました。1995年製のガソリン車ですが、今も大切に乗っています。
シンプルに「車中泊できないクルマに乗ろう」と思って購入しました。そして2020年10月からバンライフを開始しました。
日本には綺麗な海が多いですが、離島の海は混み合うことがなく、美しい浜を今日も独り占めです。島の山の方面だとWi-Fiが拾えることもあるので、それ目当てに山を訪れることもあります。
車に機能を追加しながら、年間の半分をバンで暮らしている生活です。こういう人を英語圏では「パートタイムバンライファー」と呼ぶらしいですね。
夏のように気候が良い時期は、バンライフが良いなと思います。現在も、趣味のセーリングを満喫するべくバンライフをしています。
セーリングは穏やかな海で生き物をゆっくり見られるのですが、個人的にはリアス式海岸特有の穏やかな波が好きです。天候には左右されることが多いので、移動先の場所の地図を緻密に計算しておくのにも慣れました。
日本には綺麗な海が多いですが、できるだけ人工的な海ではなく、天然の海の近くでバンライフを続けたいなと思っています。
学生時代からどうしても無理だった、早起きが自然にできるようになりました。海近くでは、太陽や月の美しい満ち欠けを見ることができるんです。朝の明るい時間にコーヒーを飲みながら、ゆっくりと過ごすようにしています。
この生活を始めてから、移動中に川を見つけると嬉しいですね。普段の島の生活でも水を汲みに行っているんですよ。
移動しながら生活では、生活用水が確保できる場所を見つけると、何日か延長して滞在しています。仮に次の場所に進んだとしても、また戻ってきて居心地を再確認。水道水を汲むことは極力しないですね。
島が大好きで、鹿児島の離島を始め、沖縄も本島からいろんな離島に出かけました。人口100人未満の島もあちこちにあります。
フェリー代はかかりますが、ひとつの島への滞在期間は結構長く、8〜9週間くらいかけて滞在します。もうどこに行っても、魅力がいっぱいで!
離島での宿泊は100%車中泊です。キャンプなどもトライしたのですが、私はちょっと慣れなくて、結局バンライフに戻ってきました。就寝は車内の方が落ち着きます。
ある島に着いた日、遅いランチをとり終えてクルマの中でコーヒーを淹れていたところ、移動販売のコーヒーショップに間違われたことがありました。見た目には、全然お店っぽさは醸し出していないと思うんですけどね。
まったくお店がない島で、地元の方が小銭を出して「コーヒー買いにきたよ~」って。それからその人はほぼ毎日、別のお客さんを連れてコーヒーを飲みにきてくれました。
マイナーであればあるほど、さまざまなチャンスがあると感じています。 いわゆる「観光地」は、いろいろな制限が出てきます。これは言わば人間界のルールですよね。
でも私は自然の形で出会いたいから、自分で求めずに自然から寄ってきてくれる、そんな魅力をバンライフを通じて感じています。
人と出会うことも魅力です。 バンライフでたくさんの人やモノと出会えるチャンスが広がって、関係が深まりました。
フリーランスで仕事をしている強みもあり、好きな場所で好きなように、自分のペースで生きられるのが最大の魅力ですね。
天候や海の状況に合わせて、海に行ったり仕事をしたり。
離島で車中泊していると見えてくることですが、島によっては空き家だらけの土地もあります。島に行くたびに、心のどこかで「この場所こそ、自分がいるべき場所なんじゃないか」と、思うこともしばしばです。
ただ、バンライフは1か所に定住するよりもノマドチック。そういう生活を、自分はこれからしばらくは続けていきたいな、と思っています。
日本国内のみならず、海外でのバンライフ経験もある。人の手で整えられた海ではなく、自然で天然の表情を見せてくれる海が大好きで、目の前に海がある生活をすべくバンライフをされています。
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