「キャンピングカーの運転って難しくない?」「そんなに大きい車体、ぶつけたり事故になったりしない?」とお声がけいただくことがあります。実のところ、3年に渡るキャンピングカー生活の中で、私たちも事故を起こしたことがあります。
これからキャンピングカーを運転するかたや、同乗する予定のあるかたにぜひ読んでいただきたいです。事故が起こってしまった要因や事故が起きてから知ったことなども含めて「キャンピングカーの運転をするうえで気をつけること」をご紹介します。
キャンピングカーの種類・サイズにもよりますが、私たち夫婦の動く家であるキャンピングカーは、一番車高が高い箇所で3.1mと、キャブコンの中でもなかなか高身長の部類に入ります。身近でイメージしやすいものでいうと、バスケットゴールの高さ(3.05m)!
この車高3.1mがアダとなり、まんまと事故が起こりました…。
事故が起きたのは、キャンピングカーが納車されて3ヶ月が過ぎたころでした。
友人にキャンピングカーのお披露目をするために、(当時まだあった不動産の)家の駐車場を出発しようと思った時でした。
駐車場は4台停められる小規模で、建物と建物の間にありました。
当時タバコから電子タバコに切り替えていた夫がっちゃん。発車して電子タバコを持とうとしたところで、マット素材のすべりやすさからタバコがスルッと指から落ちました。
落ちた電子タバコを私が拾おうとするも、自分が拾おうと手を伸ばした夫がっちゃん。
次の瞬間
「ドゴンッ…!!」
駐車場に隣接する建物の出窓部分にバンクベッドをぶつけました…(正確には、突っ込んだという表現の方が正しいでしょう。)
「キャンピングカーは視覚的に見えない“高さ”がネックになるから、高ささえ気をつければ大丈夫」とよく聞きますが、まさか駐車場で事故を起こすことになるとは…
運転をされるかたは、冗談なしで運転に集中してくださいね。数秒の判断が命取りになりかねません。
ちなみにこれを機にタバコは一切辞めた、がっちゃんでした。
バンクベッドの破損具合は素人目には「出窓の形に添って、直角90度に穴ぼこが開いている状態。面積で言ったら10cm四方くらいで、そこまで大変な破損ではないだろう」と思っていました。
しかし修理に持ち込むとなかなかの重傷で、その修理代は35万円…。修理期間は数週間かかりました。
日本一周を開始する前だったので、旅を始めてから雨漏りなどの不具合が発生しないように、完璧に修理をしてもらいました。
キャンプ場のバンガローと比較した高さ
改めてこちらが事故を起こしたキャンピングカーです。
我が家の動く家、キャブコンは2tトラックがベースになっているキャンピングカーです。
引っ越しトラックやゴミ収集車と同様のタイプです。ちなみに救急車と同様のタイプをバンコンと呼びます。
私はキャンピングカーの“キャ”の字も知らないところからキャンピングカー入門をしましたが、当初は一見普通車に見えるバンコンタイプのキャンピングカーに憧れていました。
なぜなら見た目がスタイリッシュで、パッと見はキャンピングカーに見えないし、リアハッチが開くから“映えるバンライフ”を楽しめそうだと思ったからです。
どうしても装備にこだわりがあって、それを叶えるバンコンの購入には800万円以上の予算が必要でした。
しかし予算は決まっているので、装備が備わっている500万円の中古のキャブコンを購入することにしました。
バンコンは普通車ベース、キャブコンはトラックベースで、根本の車両が異なります。
私はペーパーゴールド免許保持者なので、キャンピングカー購入前から運転は夫がっちゃん頼りでした。
がっちゃんは普段の仕事で普通車を運転していたので、バンコンに乗った場合、気兼ねなく運転を任せていました。しかしキャブコンとなると…普段の生活でトラックの運転はしませんから、運転を任せていいものか心底迷いました。
幸い「前職でトラック運転の経験がある」ということで、結果中古のキャブコンを購入することにしました。
ここで、普通車とトラック両方の運転経験があるがっちゃんに、キャンピングカー運転の難しさを聞いてみました。
よくイメージされるのが、サイズ感です。
この3つが「運転が難しそう」と思われやすいポイントではないでしょうか?
しかし実際に約900日毎日移動していて無事故無違反のがっちゃんの感覚はちょっと違います。(バンクベッド事故は旅開始前のことなので、ノーカウントにしています)
荷室は家同様の家電が搭載されているので、走行時の振動やカーブする時の重力に対してダメージが出ないように気をつけているということです。
普通車で車中泊や旅を楽しまれているかたはイメージがしやすいと思います。
キャンピングカーでの旅は、その収納力の高さゆえ何でもかんでも荷物を「とりあえず載せておこう」となりがちではないでしょうか?
前提として、キャブコンの車両重量は約3tあります。重い車体に荷物を積めば、それだけ車重が重くなります。ここで忘れがちなのが、乗車人員の体重です。大人2人が乗れば、約100kgになることを意識しましょう。
車重が重いキャンピングカーは登り坂は登ることができないし、下り坂では停まれなくなってしまいます。
登り坂は登坂車線や必要に応じて2速、1速へ落とすことが必要です。下り坂ではエンジンブレーキのほかに、フットブレーキは踏みっぱなしにしないように、ポンピングブレーキのクセをつけましょう。
これは、シェル(荷室部分)の面積が大きいので風を受けやすく、煽られやすいということです。
特に高速道路で追い抜かされる時や橋を走行する時は、風の影響を多大に受けます。新東名高速道路の120km規制区間や明石海峡大橋など、山間や海上などは風が強いので、必要に応じて減速といつもよりしっかりハンドルを握るようにしましょう。
運転席の天井よりも高い位置にシェルの天井、またはバンクベッドが設計されているキャンピングカーは、残念ながら原則立体駐車場や地下駐車場には入れないことがほとんど!
また高架下やトンネルなど、高さ制限があり通れない道も多くあります。常に車両の高さを意識しなければなりません。
小学生の頃から耳にしている「車は急には停まれない」というフレーズ。キャンピングカーは車重が重いということもあり、普通車以上に急には停まれません。なので車間距離は普通車の倍以上空けるようにしましょう。
また急ブレーキはシェルの荷物が運転席側に飛んでくることもあります。危険なので、くれぐれも走行中はシートベルトをして、動く荷物は固定、小物は収納しておきましょう。
つまり、シェルを守るために慣性の法則を逃がす運転が必要となり、「急」がつく運転は厳禁です。
これは特に右左折、駐車時、出発時などの低速走行時に注意が必要です。
例えば外輪差でいうと、例えば車体右側にコンクリートブロックがある壁際に停めていた場合、出庫時に左にハンドルを切ると、右側後輪タイヤから後ろ部分に伸びるボディーを擦りかねません。
右左折時の巻き込み事故防止にも、内輪差・外輪差を意識しましょう。
これだけ「キャブコンの運転は大変」と言われてしまうと、運転のハードルが上がってしまいますよね。
でも安心してください。キャブコンの運転にはメリットもあります。
キャブコンの運転が楽と思う理由は、小回りが効く、ボンネットがなく車間距離が測りやすい、視線が高い(展望感)、視界良好なので、疲れにくい…など、これはまたの機会にご紹介できればと思います。
この事故を経験してから、キャブコンの運転が大変な理由を深く理解し運転をするようになりました。
キャブコンの運転のコツとミソは「車高」と「キャンピングカーの特長を理解する」ことです。
みなさまも安全で楽しいキャンピングカーライフをお過ごしください♪
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