犬が楽しそうに雪の中を走る姿を、多くのかたがテレビやSNSなどで見たことがあると思います。しかし、本当にすべての犬が寒さに強く、雪を喜ぶのでしょうか?
今回は、そんな「犬は寒さに強いのか」という疑問にお答えしつつ、冬に犬と車中泊する際のおすすめのグッズや注意点を合わせてご紹介していきます。
雪や寒さをよろこぶイメージがある犬ですが、実は多くの犬は寒がりなんです。そのため車中泊をする際には人間同様に「寒さ対策」が必要になります。
実際にご自身の愛犬が寒がりかどうかを判断するには、以下の3つのポイントをチェックするのがおすすめです。
1つ目のチェックポイントは「被毛のタイプ」。
犬種によって、被毛は「シングルコート」と「ダブルコート」に分かれており、シングルコートは1年を通して「衣替えをしない」ので、1年中同じような毛量となります。
一方ダブルコートは、季節によって「衣替えをする」おかげで、夏は毛が落ちてサラッとし、冬は毛が増えてふわふわになるのです。
一般的にはダブルコートの方が寒さに強いといわれており、愛犬がどちらのタイプなのかを確認することで「寒さに強いのかどうか」が分かります。
インターネットで簡単に調べることができますので、興味のあるかたはぜひチェックしてみてください。
2つめは犬の「原産国」です。
犬にはその犬種が作り出された場所(原産国)があります。中東やアジア・北欧などそれぞれの地域や、現地での役割に適した犬種が作り出されているんです。
その場所・地域で快適に暮らせるように、暑さや寒さに適応できる犬種に進化したり、交配されてきました。当然寒い地域(国)が原産国であれば寒さに強く、暑い地域であれば寒さに弱いということになります。
3つめは現在の「生活環境」です。
あくまで「傾向」の話ではあるのですが、現代の犬たちは室内飼いが主流になったこともあり「体温調整が苦手」だといわれています。
筆者が飼っているブリタニー・スパニエルという犬種は、ダブルコート&フランス原産。図鑑などでは「寒さに強い」と書かれていることが多いのですが、実際のところはおなじ犬種と比べると被毛が薄く、寒さに弱いです。
曇りの日などにカフェのテラスに連れて行くと、体を猫のように丸めてブルブルと震えていることもよくあるんですよ。「体の熱を保つために小刻みに震えているんだろう」と冷静な判断ができる筆者でも、ときどきかわいそうに感じてしまいます。
冬に山を歩く際はそこまで寒くなさそうにしているので、「寒さに弱い」というよりも「止まっているときに寒く感じる」のではないかと個人的には思っています。
健康な成犬であれば犬自身で体温の調整ができますが、子犬や老犬だと体温調整が難しいことも。車中泊に際には必要に応じてアイテムを使い、愛犬が快適に車中泊できるようしっかりとサポートしてあげてくださいね。
最初にご紹介するのは、お湯を使って簡単に温まることができる「湯たんぽ」。
実は人間だけでなく犬も使うことができるんですよ。お値段も電気毛布やヒーターと比べて安価なため、手軽に導入することが可能です。使用するにはお湯を沸かす必要がありますが、一度用意してしまえば朝まで暖かく過ごすことができます。
湯たんぽを選ぶ際には、「素材」と「温める方法」をチェックしてみてください。
湯たんぽの素材は金属製・陶器製・プラスチック製・ゴム製など商品によってさまざまですが、柔らかいところを好む犬が多いため、柔らかい「ゴム製」を選んであげたくなりますよね。
しかし、犬は寝床を作る際に爪で引っ掻いてしまったり、噛んで壊してしまうことがあります。壊れてしまうと中のお湯が漏れたり火傷をしてしまう可能性がありますので、初めて購入する場合には金属製などの破損しにくい湯たんぽを選ぶのが良いでしょう。
湯たんぽを温める方法は、中に入れる「お湯」を沸かして温めるものと、「電気」で温めることができる商品があります。
お湯で温められるものは商品数も多く、耐久性や値段・デザインを選ぶことが可能です。直火OKの商品なら、焚き火やキャンプ時に温めた湯たんぽを車内で使うことができますよ。
電気で温められるものはお湯を沸かす手間もありません。電子レンジを使用したり、ポータブル電源を使い充電するだけで手軽に使えます。
筆者は「お湯で温める金属製の湯たんぽ」と「電気で温める充電式の湯たんぽ」を持っています。金属製は犬がクレートに入っている時など人の目が離れるときに使い、充電式の湯たんぽは人と一緒にいる時に使うことが多いです。
筆者の愛犬も柔らかい充電式の湯たんぽの方を好んでいるようですが、万が一目を離したときに破損させてしまうのが心配です。個人的には、柔らかい湯たんぽは一緒にいる時に使うのがベストだと感じています。
使用する際は、熱湯や湯たんぽでの火傷に注意してくださいね。
ホームセンターやネットショップなどで、ペット用のホットカーペットを購入することができます。
ペット用ホットカーペットの特徴は、防水性があり、電源コードの補強がされていること。またお手入れも簡単で温度調整もできるなど、ペットの安全をしっかりと考えて作られています。
特に大事なポイントは電源コードが補強されていることです。
写真は友人から借りたホットカーペットですが、電源コード部分が噛まれています。愛犬が普段から電源コードを気にしている場合には、必ずコードが補強されているもの選ぶようにしましょう。
もちろん人間用のホットカーペットや電気毛布でも代用は可能ですが、初めて購入する際には、事故を避けるためにもペット専用を選ぶのがおすすめです。
またホットカーペットを使用するときには、ペットがいるスペース全面に敷き詰めるのはNG!犬が「暑いな」と感じたときカーペットがない場所に移動ができるよう、適度に空間を作っておくとよいでしょう。
冬に限らず、おでかけや車中泊時には「犬の服」を持参するのがおすすめ。「犬の服」というと「そんなものは必要ない!」「犬に服なんて!」と反応されることもあるのですが、実は服にもその役割や機能があるんです。
車中泊での役割は、防寒対策と汚れや抜け毛落下防止がメイン。商品によって機能はさまざまですが、アウトドアウェアのように防水性・撥水性・防臭・伸縮性・防風性・保温性・速乾性・透湿性などがあり、快適に過ごすことができるものもあります。
体にフィットする形のものが多く、誤飲しやすいボタンやフリル・リボンなどもなく安心です。
車中泊には、4つ足を通して全身を覆うような「ロンパースタイプ」のウェアが最適です。着脱の際に頭や足を通す必要があるため、服を着るのを嫌がらないように練習が必要となります。
ちなみに機能性のあるウェアの相場は3,000〜20,000円ほど。選ぶ時にはサイズをしっかり測るか、試着をしてから購入してくださいね。
今回ご紹介したアイテムを使用する際、注意すべき点は「破損」や「誤飲」です。
使っているうちに劣化をしたり犬自身がちょっとずつ噛み進めていて、気づいた時には「壊れていた」ということがないよう、使用前には破損していないかを必ずチェックする習慣をつけておきましょう。
また誤飲は、中毒や体の損傷・閉塞を引き起こします。無症状の場合もありますが、危険なことには変わりはありません。
車中泊をする際は動物病院から離れた場所にいることも多いため、普段よりも安全管理を徹底する必要があります。
「犬と一緒に眠りたい」「犬と一緒に寝て可愛い寝顔をみていたい」と考えているかたは、かなり多いのではないでしょうか。
しかし犬にとって「寝床」は生きる上でとても大事な場所。大事な場所を守ろうとして、寝床に近づく飼い主さんに噛みついて主張をする犬もいるんですよ。
何かを守ろうとしている時の犬は恐ろしいほど必死です。「何針も縫うような怪我を負った」ということも耳にしたことがあります。
特に車中泊中は普段と違う環境にいることから「大事なもの(寝床)が取られてしまうのではないか」と犬が不安に思い、それを守るために噛みついてしまうことがあるようです。
車中泊の際はお互いにストレスなくゆったり睡眠が取れるよう、犬と寝る場所を分けることも検討してみてください。
今回は、愛犬が寒がりかどうかを判断するポイントと、冬に愛犬と車中泊をする際、おすすめのアイテムをいくつか紹介しました。
スノーシューやトレッキング、スキー・低山ハイキングなど、冬も犬と一緒にできるアクティビティはたくさんあります。
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