年間30-40日、家族4人でハイエース+キャンピングトレーラーで車中泊しながら、サーフィンやスキーなどアウトドアを楽しむ。 冬だけ雪国で二拠点生活するなど、「旅」をテーマに場所に縛られない働き方・ライフスタイルを満喫中。
「とうちゃんはテンネンパーマ」こと池辺政人の妻で、子供2人と一緒に家族でバンライフをしている池辺純代です。
>>>「旅しながら働く未来を実現するため、私たちはバンライフ家族になった|池辺政人」の記事を読む
夏の車中泊で気になるのは、暑さ対策についてですよね。
今回は、実際に熱帯夜の高知県のビーチで子連れ車中泊した経験をもとに、クルマの中で暑さをしのぐ方法や、快適な睡眠のためにおすすめの「暑さ対策グッズ」など、リアルなアドバイスをご紹介していきます。
エンジンをかけっぱなしにしたまま長い間停車するのは、騒音や排ガス問題から周囲への迷惑となります。どんなに暑い夏の夜でも、車中泊マナーとして必ずエンジンは止めましょう。
また風のないときなどに長時間アイドリングをすると、車内に一酸化炭素が発生しやすい状況になります。最悪の場合には事故に繋がる可能性もあるため、細心の注意が必要です。
自宅のようにエアコンが使えなくても、夏に車中泊することは可能なのでしょうか?実は、暑さ対策をきちんとすれば車中泊は可能なんです!
その対策のひとつが、車中泊する際の「場所選び」。
キャンプをする方はすでに知っていることかもしれませんが、夏は海より山でキャンプした方が圧倒的に涼しく過ごせます。事前に標高の高い場所を調べて車中泊するというのは、暑さ対策としてとても有効です。
山の気温は標高差と反比例して下がっていき、「100m上がるごとに気温は0.6度下がる」と言われている(気温減率)からです。
具体的に考えてみると、標高0mの東京の下町地域で気温30度の場合、山梨県にある標高1,000mの「道の駅こぶちさわ」(※こちらの施設は宿泊目的での駐車場利用はできません。仮眠による休憩でしたらOK。)の場合は−6度なので、気温は24度ということになります。
さすがに30度は暑くて眠れなさそうですが、24度なら快適に車中泊できそうですよね。私の経験上、夜の外気温が24度以下であれば、クーラー無しで快適に車内で過ごすことが可能です。風があり、夜の気温がさほど上がらないのであれば、ビーチや河原など水の近くも意外と涼しいですよ。
そのほかにもうひとつ、「場所選び」で押さえておきたいポイントがあります。
車中泊した場所で朝を迎えるとき、クルマが朝日に照らされることで一気に車内温度が上昇してきます。それまで快適に寝ていたのに、急に暑さを感じて目が覚める、といったパターンです。
そこで、朝日の影になるよう東側に建物や木があり、日陰になる場所を選ぶようにするのがおすすめ。そうすることで、「車内に陽が入って気温が上昇し、暑くて目が覚めてしまう」といった事態を避けることができます。
またアスファルトは昼間の太陽の熱を吸収して温度が下がりにくいため、駐車場所が地面や芝生になっているところを選ぶのも良いですね。
体感温度(人の肌が感じる温度の感覚)は、湿度や風の影響を受けると言われています。「無風の時に比べて、風速1メートルで体感温度が1度下がる」と聞いたことがある方もいるかもしれません。
人の体の周りには体温で暖められた空気の層ができているため、風でこの空気の層が吹き飛ばされると体感温度が下がるのです。暑いときは風通しをよくすれば快適に過ごせるということになります。
車中泊時は、両サイドの窓とハッチバッグを開ければかなり風通しがよくなります。たださすがに窓を開けっ放しにしていると、虫も入ってきますし、防犯面も心配になる方が多いと思います。
その場合の対策については、以下の「車中泊グッズ」の項目でご紹介します。
「夏は車中泊する場所の高度を上げれば暑さ対策できる」というお話をしましたが、実際には「海のそばに泊まりたい!」とか「旅のルート上標高の高いところは無理!」という場合もありますよね。
私も夏シーズンは、サーフィンをするために海の近くで車中泊しています。その経験をもとに、寝苦しい夜におすすめしたい「暑さ対策グッズ」をご紹介します。
クルマは窓ガラスが多いため、外気温の影響を受けやすいです。特に夏は日中の日差しが強いこともあり、窓にシェードをするだけで日差しを反射し、車内の温度上昇を抑えることができるのです。
停車時にフロントガラス部分だけシェードをしているクルマを見かけますが、車内のすべての窓にシェードをする方が良いです(窓を開けて風通しをよくすることが可能な場所以外)。そうすることで、クルマのエアコンで冷えた車内の温度が上昇するのを、多少抑えることができます。
私たちが愛用しているAizuというメーカーの「マルチシェード」は、炎天下の中装着することで、最大10度の車内温度を緩和することができるそうです。これは大きい・・・!
シェードを100均の材料で自作するという方もいらっしゃいますが、経験上シェードは金額をケチらず、良質なものを選ぶのがおすすめです。
私たちが使用している「マルチシェード」は厚みのある中綿を挟んでおり、それが断熱性能を高め、車内温度を上げないように効果を発揮しています。吸盤で窓に貼り付けるタイプなので、装着も取り外しも簡単!
車種別設計になっており、さまざまなクルマの窓にぴったり貼れるようになっているので、断熱効果も高いのが特徴。シェードは外から車内が見えないように、プライバシーを守る役目もありますよ。
「ウィンドーバグネット」とは、クルマ用の網戸のこと。我が家は暑いときには写真のようにハッチバッグを開け、「ウィンドーバグネット」を取り付けています。
さらに助手席側のスライドドアにも「ウィンドーバグネット」を付けており、車内の2箇所のドアを開けて風通しを良くすることで暑さ問題も解決!
しかしスライドドアをすべて開けておくと、朝になってクルマが来た時などは車内が丸見えになってしまいます。そんなときには写真のように、ドア上部にクリップで布をとめて、人の視線から車内が見えにくくなる工夫をしています。
開放的にドアを開けて車中泊するのは防犯面が心配、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。私たちは夏は「道の駅」など人の出入りが多い場所ではほとんど車中泊しません。
もし車中泊したとしても、ドアをしっかりとロックしたままサイドの窓のみを開けて、ウィンドーネットを使用するようにしています。
人の少ないビーチや河原で車中泊するときにはスライドドアとハッチバックを開けてますが、車中泊歴20年の中で、幸いにして怖い目にあったことはありません。
ただし、女性のみの車中泊の場合には、ドアを開けたままの車中泊は防犯の面からおすすめできません。
上記でご紹介したシェードとウィンドーネットでかなり暑さは緩和できると思いますが、それでも車中泊場所が無風だった場合には、かなり寝苦しいと思います。そんなときは、扇風機を使って風を起こします。バンライフ用扇風機としておすすめの機能は、以下の通りです。
・USBで充電できること
・クリップタイプで車内のサイドバーなどに取り付けられること
・左右の首振り機能がついてること
・2箇所以上に設置し、さまざまな方向から風をまんべんなく当てられること
扇風機にもよりますが、最小モードで48時間連続使用が可能なので、付属のバッテリーで丸2日間の使用が可能です。長期の車中泊旅などは、日中にモバイルバッテリーでフル充電しておくことを忘れずに!
今はさまざまな扇風機がありますが、コンパクトながら風量はしっかりとあるため、クーラーが無くても十分快適に過ごせますよ。
扇風機の風で寝冷えしたり、喉を痛めたりしないように気をつけてくださいね。
寝ているときに汗をかいて服や寝具が肌に密着してしまうと、かなりの不快感がありますよね。
以前真夏のビーチで車中泊をした際、よくCMなどで見かける「ひんやり敷きパッド」を持って行ったことがありました。
少しでも暑さが緩和できれば、と思ったのですが、寝ているときになんだか不快感が・・・!どうやら海からの湿気を敷きパッドが吸ってしまい、濡れたシーツの上で寝ているような状態になってしまっていたのです。
最初は子供達がおねしょをしてしまったかと勘違いしたほどです・・・。これは大誤算でした!
そのような失敗を経ての結論として、綿素材やサッカー生地などの表面がサラッとしたシーツが1番快適である感じています。
寝るときの服装も、通気性や吸湿性に優れたものを選びましょう。そうすることで、汗をかいても服が肌にまとわりつかず、快適に眠ることができますよ。
これまでの暑さ対策をすべて施しても、まだ暑い!という場合には、市販で売っている「冷却スプレー」を首元などにシュッと吹きかけてみましょう。
冷却スプレー以外には、ハッカ油も肌がスースーとし、同様の清涼感を得られますよ。ハッカ油はドラッグストアで購入することが可能です。
ハッカ油を水で薄めてから、100均などで売っているプラスチックのスプレー容器にいれ、寝る前に首元や膝裏などにシュッと吹きかける。そうすることで、かなり涼しさを感じることができます。
さらにハッカ油を混ぜた水でタオルを絞り、体の火照った部分に当てるのもおすすめ。ひんやりしてとても気持ちが良いですよ!
また、ハッカ油は虫除け効果もあります。お風呂の後に市販の虫除けスプレーを使うことに抵抗があるという方は、ぜひハッカ油を使ってみてください。
私が今まで車中泊してきた中で過去一番暑かったのが、四国の高知県のビーチでの車中泊でした。
日中にサーフィンを楽しむため、サーフポイントの駐車場で車中泊をしたのですが、昼間は36度近くまで気温が上がり、日陰にいてもダラダラ汗が流れるほど。夜も気温が高い状態が続き、30度ほどはあったと思います。
駐車場がアスファルトだったこともあり昼間の日射で地面が温まり、その熱に無風という条件も重なって、USB扇風機を2台使ってもかなり寝苦しい夜になりました。
このようなときには「暑さ対策グッズ」を使用しても暑さが解消できないため、気温が上がりそうなときにはもう少し高度を上げる・風の向きを調べてポイントを選ぶなど、車中泊場所自体を変えたほうが良いですね。
また夏の車中泊は汗をかきやすいので、家族全員の水分補給対策はしっかりと行いましょう!
今回は「夏の車中泊の暑さ対策」について、私の経験に基づくノウハウをご紹介してきました。
・車中泊する場所は、高度の高い場所や日陰になるところを選ぶ
・クルマの中の風通しをよくする
・暑さ対策グッズを使用して、車内の温度上昇を抑え快適に眠れる工夫をする
といったことが、夏に快適に車中泊をするためのポイントになってくると思います。
暑い夏でも快適な車中泊ができれば、写真のように今にも星が落ちてきそうな満点の星空の下で車中泊することも可能です。車中泊旅の選択肢を増やすために、ぜひ参考になさってくださいね。
▼夏でも快適なエアコン付きのキャンピングカーはこちら!
年間30-40日、家族4人でハイエース+キャンピングトレーラーで車中泊しながら、サーフィンやスキーなどアウトドアを楽しむ。 冬だけ雪国で二拠点生活するなど、「旅」をテーマに場所に縛られない働き方・ライフスタイルを満喫中。