クルマの中という限られた空間で生活をするバンライフは、「究極のミニマリスト」と言われることもあります。積み込める荷物には限りがあり、本当に必要なものだけに厳選しなければなりません。
私もキャンピングカーでの生活をはじめる際には、いろいろなものを断捨離しました。特に服が大好きでたくさん所有していたこともあり、衣類の断捨離はとても苦労したんですよ。
そこで、今回は「服の断捨離」に特化して、断捨離のコツや衣類ごとの見極め方などを、実際の経験をもとにご紹介していきます。
私は、約10年の会社員時代を経て家を断捨離し、現在はバンライフをしています。
私が初めて持ち物を断捨離をしたのは、社会人になる直前です。 当時は第一希望の会社への内定と社員寮に入寮することが決まっていたこともあり、その会社に定年まで勤め上げるつもりで入社しました。
「一度家を出たら実家には戻らない」という気持ちが強く、入社が決まってからは実家の自分の部屋の荷物を少しずつ片付けるようになっていました。
私がスムーズに家を断捨離できた背景には、
①「断捨離」という行為自体に抵抗がなかった(=その時々で必要な物は移り変わる、という発想)
②社員寮では共同生活で、荷物は自分の6畳部屋に収納していた=限られた空間の使い方がわかっていた
というふたつの理由があります。
つまり断捨離のそもそものコツは、
①断捨離したい気持ち(必要性があること)
②「ここに入るだけしか荷物は持たない!」という強い意志
これら2つの意識を持つことがもっとも大切になります。
どちらもバンライフを開始する時にも必要な感覚であり、スキルだと思います。特に私は服が好きで、バンライフを始めるにあたり300着以上の衣類を断捨離してきました。
実際に大量の衣類を断捨離した経験をもとに、以下で「服の断捨離」のコツをご紹介します。
これはあくまでも私の基準ですが、断捨離にはまず「捨てるかどうかの基準」を設けることが必要だと思っています。断捨離というと「ときめく、ときめかない」という言葉がよく使われますが、これも捨てるかどうかの基準です。
たとえば私は、高い服は数回しか着ていなくても、手元にあるだけで嬉しかったり、憧れて手にした服を簡単に捨てたくないという想いが強いです。反対に、よく着る服であれば、ちょっとくらい毛玉ができても最後は部屋着にしたらよい、と思っています。
私が実際に衣類を捨てたときの、衣類ごとの「捨てどきポイント」を、以下にまとめてみました。
プリントのが剥がれていたりレースがほつれているものは、部屋着へ移行。ホックなどが緩んできたものは捨てる。
毛玉や毛羽立ちのある服は部屋着に移行。また柄物やプリント物は年齢にあわせて部屋着に移行。
色褪せやダメージがもともとのデザインだと言えないレベルになったものは処分しています。
天然素材のものに関しては虫食いを見つけたタイミングや、クリーニングなどの手入れを「面倒だな」と感じたタイミングで処分するようにしています。動物繊維の素材は車内の湿気でカビが発生したり、虫食いや変色などもあり、クルマでの生活するには向いていないと感じています。
▼冬の荷物の収納方法はこちらの記事でもご紹介しています。
服を断捨離する際に判断に迷うのが、「部屋着」ではないでしょうか。断捨離の際に、古くなった衣類を捨てずに部屋着に移行していくと、部屋着がどんどん増えていってしまいます。しかし、部屋着は何着も必要でしょうか。
平日が仕事で週末にまとめ洗いをしたとしても、部屋着はそのシーズンに7着もあれば十分だと思います。もし風邪をひいて熱を出して、洗濯物が溜まってしまったとしても、何十着もの部屋着はいりませんよね。
そこで、私が考えた「部屋着の断捨離基準」は以下の3つです。
①火事や地震が起こったときに、すぐに避難できる服か
②その服で避難して恥ずかしくないか
③その服をして避難先で数日すごしても恥ずかしくない服か
この基準を満たさない服は断捨離することにしました。その結果、クローゼットの約半分の服を捨てることができたのです。
断捨離してバンライフをしている現在の服の保有数はおよそ40着で、これは1年間に私が必要な洋服の枚数です。しかし、300着から40着まで、一度に断捨離するのはなかなか難しいと思います。
本当にその服の枚数でこれからやっていけるか、不安が残りますよね。そして、本当に断捨離してしまってもいいのか、捨ててしまって後々後悔しないのかなど、心配は尽きないかもしれません。
後悔をしないためにも、私はアウターだけ、ボトムスだけなどアイテムごとに並べて、季節衣類ごとに少しずつ整理しました。
バンライフをはじめてからは1週間に1度コインラインドリーに行き、まとめて洗濯するようにしています。最低でも7着の服を常に取り出せる状態にしていて、トップスの夏服は春・秋も兼用し、冬服は春・秋も兼用、ボトムスと下着類は通年着用し、持ち運ぶ衣類を少なくする工夫をしています。
せっかく買ったお気に入りの服を捨てるのは寂しい気持ちになりますよね。だから私は洋服を購入する時に、長く着続けられる服を選ぶようになりました。そのためには素材の特性を知ることが大切です。
ポリエステルは乾きやすい反面、脱水するとシワができやすく、臭いを吸着したらなかなか臭いがとれません。アクリルは毛玉ができやすく、毛玉をとればその分生地が薄くなってしまいます。
綿は乾きにくいのが難点ですが、汗の吸収もよく、シワや臭いがつきにくい素材です。ポリウレタンは着なくてもゴムが劣化するので、定期的に買い換えが必要になります。
ウールやシルクをバンライフ中に手洗いするのはかなり面倒ですし、獣毛(じゅうもう)を使った衣類はメンテナンスにお金がかかるため、できるだけ取り入れないようにしています。
このように素材の特徴を知って長く着られる服を選ぶことで、断捨離の回数そのものを減らすことができています。
バンライフをはじめる際に300着以上の服を断捨離したことで、いまでは快適にバンライフを続けられています。服を減らすことが直接的な幸せにはつなりませんが、収納スペースが限られたバンライフでは40着ほどがちょうど良いボリュームだと感じています。
バンライフ中の洗濯事情や車両サイズによっても、保有できる服の数は限られています。キャンピングカーはバンに比べると収納スペースに多少余裕があるので、1年分の荷物を搭載してのバンライフが可能です。
しかし普通車でのバンライフであれば、もっとこまめに洗濯をしたり、服の数も減らさないといけなくなります。車両の大きさに合わせて、所持する服の量を調整をしてみてくださいね。
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