世界を旅するtakumikoさんにバンライフが教えてくれたこと
世界を旅するtakumikoさんにバンライフが教えてくれたこと

世界を旅するtakumikoさんにバンライフが教えてくれたこと

京都出身。新しい生き方と働き方の探究、実験をする人。 自然と対話と歌、サウナが好きです。

コロナ禍で制限されていた海外渡航も徐々に緩和され、海外からの旅行客を目にする機会が増えました。


これを機に新しい刺激や挑戦を求めて、海外旅行や留学、移住を計画する人も多いのではないでしょうか。


今回ご紹介するtakumikoさんは、3カ国での生活を経験され、現在はオーストラリアでバンライフをされています。


日本を離れて海外で生きることで、どんな世界がみえるのでしょうか。

旅を通じて見つけた価値観や生き方について、お話を伺いました。

人生で初めての挫折。自らレールをおりて見えた、あたたかな世界

takumikoさんが海外へ旅立つまでのお話を教えてください。

今はバンライフをしていますが、もともと私は「趣味が勉強」と言い切れるほどの、いわゆるガリ勉でした。

人から褒められることが好きで、両親を喜ばせるために勉強をしていると、勉強が得意なことに変わっていました。


ところが、自信をもって臨んだ大学受験に失敗。勉強だけに打ち込んでいたのに、志望校に落ちてしまったんです。


人生で初めて、挫折を味わった出来事でした。

もう一度挑戦することも考えましたが、頭の中は不安だらけ。


そして、不安とともに、これからの人生にときめきを感じませんでした。

高校を卒業したら大学へ進学、というレールに、自分は本当に乗りたいんだろうか?


さまざまな気持ちが渦巻く中で、いつか英語を話せるようになりたいという夢を思い出しました。


そして、不安や辛さから逃げる気持ちもありましたが、カナダへ旅立つことを決めました。

カナダではどのような生活をされていましたか?

カナダでのワーキングホリデー(以下:ワーホリ)中は、日本では体験できない出会いがありました。


カナダではさまざまな年齢やバックグラウンドの人々と話す機会が増え、彼らとの会話を通して、人生の在り方はもっと自由でいいと気付かされました。


例えば、大人になってから大学に進学する選択肢を取る人もいます。

私にとっては新鮮な考え方でしたが、一方でどのような意思決定も間違いじゃないと思うようになりました。


「YOLO」(You only live once)という言葉がありますが、カナダには、年齢に関係のない、自分で人生の選択をする文化があるように感じます。


あっという間にワーホリの期間が終わり、日本へ帰国をするのですが、海外と比較するとどうしても「大多数がいいと思うものが良い」という風潮を感じてしまいます。


このままでは、自分の気持ちを見失ってしまうかもしれない。


そう思い、私は2回目のワーホリのために、ニュージーランドへ旅立ちました。


オーストラリアが私をバンライファーにしてくれた

2度目の海外へ。ニュージーランドではどのような出会いがありましたか?

ニュージーランドでは自然と触れ合う機会が増え、旅行に興味をもつようになりました。


初めての車中泊をしながら南島をぐるっと一周して、自然の美しさや自分の目で世界を見て周る楽しさを知りました。


クルマ旅では、ヒッチハイクをして生活をする人に出会う機会もあり、

私の中にあった「人は働かなくてはいけない」という価値観が、「働くことは、選ばなくてもいい」に変わりました。


ただ「型にはまらなくていい」ということは理解したものの、「自分が何をしたいのか」の方向性は分からないまま。


自分探しの旅は、オーストラリアでも続きます。


自然の偉大さを感じるオーストラリア


オーストラリアへ最初はワーホリを利用して滞在していたものの、気がつけば移住して8年目になります。


「今本当に欲しいものは何か?何をしたいのか?」を自分に問い、探り続けました。


例えば、世界一周を目指してみようと考える時期もありました。

けれども、それは「海外の旅=世界一周」のように、よく見る枠組みに自分を当てはめているように感じて、納得感が持てませんでした。


試行錯誤の末に出てきた本音は「あの美しいニュージーランドで、もう一度暮らしたい」。


夢の達成に向けて、ビザを取得するためにオーストラリアで生活することを決意しました。

バンライフを始めるきっかけは何でしたか?

彼氏がトレーラーハウスやキャンピングカーのメーカーに勤めているため、バンライフやクルマのDIYをする人々や環境が身近にありました。


恵まれた環境もバンライフを始める後押しになっていますが、実は、一番の目的は節約のためでした。


オーストラリアでは物価が高騰しており、給与の大半が家賃にかかってしまいます。

それならば、クルマに住んで、浮いた固定費を旅に注いだ方が夢がある!


ありがたいことに、DIYの方法や必要な部品は身近にありますし、クルマも安く手に入ったので、気軽にバンライフを始められました。


これが2019年12月のことでした。


現在のバンもまだまだ改良中

オーストラリアのおかげで、バンライフに挑戦できたとも思っています。


この国は国土のほとんどが自然で覆われ、面積が大きいため、クルマは必需品です。

また、幼少期からトレーラーハウスに住んだり泊まったりする文化があるため、バンライフへの理解もあります。


さらに、バンライファー向けの無料の宿泊スポットが多く、ホテルに宿泊するよりも便利な環境。オーストラリアは、バンライファーにとって最高の場所だと思います。

旅がtakumikoさんに教えてくれた、名もなき感情を知る喜び

バンライフで出会ったおすすめスポットを教えてください。

パースから北へ850kmほどのところにある、シャークベイで出会った景色は忘れられません。


ずっと海と地平線が続く風景、そして世界最古の生物種「シアノバクテリア」が生息しています。


シャークベイ(Shark Bay)の砂浜一面に広がるシアノバクテリアたち


彼らは35億年前からずっと、海に埋もれ、乾き、大きくなる生活を続けています。

本で生態を知ってはいましたが、目や匂い、耳を使って現地で実際に出会うと、地球がはるか昔から存在していることを想像させられました。


また、彼らとの出会いは、人生に対しての視座を上げてくれました。


日本にいる時の私は、頭の中で未来を考えて、計画をすることが好きでした。けれども、それは一番近くで起きている「今」をおざなりにしてしまっていることでもありました。


彼らを見ているときにも、「写真をSNSにアップロードしたら、いいねがもらえる」と思ってしまう自分がいたんです。

そんな自分を俯瞰して見ると、存在がちっぽけだと感じてしまいます。


だからこそ、「今、自分は何を思って、感じているのだろうか」と立ち戻って考えようと気づかされました。


広大な自然の中にいる「自分」を考える機会も多いそう

バンライフがtakumikoさんに教えてくれたことは何でしょうか?

バンライフを始めて、感情の幅や人生のつくりかたが広がったと思います。


高校時代の私は、勉強が好きで、引きこもってひたすらに読書をしていましたが、今では彼氏の影響で外へ出ることが増えました。


おかげで、知識だけでは見つけられない、名前のない感情と出会う楽しさを体験から知りました。


初めて目にする景色と感情に出会えることがバンライフの醍醐味

旅だけではなく、家(バン)をDIYするプロセスからも、新たな自分に気がつくことができました。


バンをつくる過程では、SNSで目にするバンを真似するのではなく、自分の理想の生活を考え、取捨選択をしていきました。


収納スペースはどのくらい欲しいのか、そのために荷物はどれだけ減らさなくてはいけないのか。

自問自答を続けて、理想の生活を見つけていく行為から、今まで気づかなかった自分の価値観に気がつくこともありました。


昔の私は「高校を卒業したら進学」と、大多数が決めたルートを歩く生活をしていましたが、今では、日々の生活を自分で選んでつくっているので、誰かのルートから脱線することに慣れてきたようにも思います。


気がつけば、そんな生き方が心地よく、徐々に自分の取り扱い方もわかってきました。


自分自身に脱線していくことで、新しい自分が見える気がします。

これからの企てを教えてください!


今はオーストラリアで働きながら暮らしていますが、将来的には仕事を辞めて他の国へ旅に出る計画をしています。

別の国でもキャンピングカーを作って、バンライフ二拠点生活を展開してみたいですね。


さらに、オーストラリアでのバンライフを形にするようなZINE(オリジナル冊子)を制作したいと思っています。


海外は土地が広いため、なかなかバンライファー同士がつながり、出会える機会がありません。

Carstayのような、つながりあえるコミュニティに憧れていたので、私の言葉を通じて新しい出会いが生まれれば嬉しいです。


そして、友達を増やしていきたいです。(笑)

お話を伺って

人生に自問自答しながら行動するtakumikoさんからは、優しさと柔らかさ、そして芯の強さを感じました。

インタビューを終えても心に残る彼女の生き方を、もっと知っていきたいです。

お話を伺った人:takumikoさん


大阪出身。高校卒業後、世界3カ国でワーホリを経験され、現在はオーストラリアでバンライフ中。自身でDIYしたフォルクスワーゲンのLT35 トランスポーターに住みながら、DIYの様子やバンライフを通して出会った景色や想いをSNSで発信されています。Twitterはこちら

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