20年バンライフをする夫婦。子供ができても形を変えて旅は続けられる

年間30-40日、家族4人でハイエース+キャンピングトレーラーで車中泊しながら、サーフィンやスキーなどアウトドアを楽しむ。 冬だけ雪国で二拠点生活するなど、「旅」をテーマに場所に縛られない働き方・ライフスタイルを満喫中。

とうちゃんはテンネンパーマ」のかあちゃんです!


20代から夫とバンライフを始めて、今や20年以上が経ちました。


当時はバンライフという言葉もなく、「車中泊は変わった人がやること」「宿にお金をかけられない貧乏旅をする人」と、好奇の目で見られていた時代。

当然、今のような便利な車中泊グッズもありませんでした。


そして時を経て、今や時代のムーブメントを起こしつつある「バンライフ」。新しいライフスタイルとして、若者を始めとしてたくさんの人に親しまれるようになりました。


そこで、今まで書いてきた記事とはちょっと趣向を変えて、長年のバンライフを振り返ってみたいと思います。


これまで夫婦や家族でさまざまなライフステージを迎えながら、どういう旅の変遷をしてきたのか。どうしてここまで長く続けてきたのか。

バンライフを続けてきた先に思い描くものについて、ざっくばらんにつづりたいと思います。

夫婦で車中泊しながらアウトドアに明け暮れた20代

遊びを楽しむ手段として始めたバンライフ

海で車中泊&サーフィン

私たちは、結婚する前から夏は海でサーフィン、冬は雪山でスキーやスノーボード、季節の合間にキャンプや山登りなどをして、週末や長期休みはほとんどアウトドアの遊びに時間を費やしてきました。


土曜日の朝に出発して海や雪山へ向かいますが、都心から行くとたいてい渋滞にハマります。海は朝一番の波が良いし、雪山はできるだけ朝早いリフトに乗って、手付かずのパウダーを滑りたいもの。


そこで、金曜の夜仕事が終わってからダッシュで旅の用意をして出発し、夜中に現地に到着して車で仮眠をする。


これがバンライフを始めたきっかけです。


スノーボードを担いで雪山を登る


特に、スキーやスノーボードは冬の限られた期間しか楽しめません。当時は毎週末のように東京から新潟・群馬・長野といった雪山に滑りに行っていました。


雪が良ければ現地に泊まって次の日も楽しみたいところですが、20代の若者だった時、毎週末ホテルに宿泊するほどのお金は持っていません。


そこで、宿に泊まる代わりに、スキー場の駐車場で車中泊するというスタイルになっていきました。

サーファーやスキーヤーにはバンライフの先駆者がいた

初めて車中泊した車が三菱デリカスターワゴン

その頃、一般的には珍しかった車中泊をする人が、サーフィンやスキーの先輩や仲間たちにはいました。


今から25年ほど前の話ですが、海に行った時、ハイエースのリアシートをフルフラットにして、布団を敷いて車中泊仕様にしている先輩がいました。


午前中の1ラウンドと夕方の2ラウンドの波乗りの合間に、そこで海の風に当たりながら昼寝をする。そして時々小さい子供を連れてきては、そこで遊ばせる。


その光景を見た時に「なんて自由なスタイルなんだ!」と衝撃を受けたことを覚えています。


毎週末雪山へ通う

毎週末雪山に通っていた時は、バックカントリースノーボード(スノーシューをはいて雪山を登り、整備されたスキー場ではなく自然の雪山を滑ること)にハマっていました。


自然とバックカントリーを楽しむ仲間が増えていきましたが、彼らはみなワンボックスやハイエースを車中泊用にDIYしてスキー場の駐車場に泊まっていました。


その時私たちが乗っていた車は三菱デリカのスターワゴン。


シートをフルフラットにして、キャンプ用のマットを敷いて最低限寝れる車中泊仕様にしている人もいれば、調理スペースにミニテーブルや布団を敷いて、中にはFFヒーターもつけて今と変わらないバンライフカーにDIYしている仲間も。


でも彼らの目的は車中泊ではなく、あくまでもサーフィンやスキー。そうした遊びを最大限楽しむための手段として、車に寝泊まりしていました。


今思えば、彼らこそがバンライフのレジェンドですね。


その日の最高だった滑りを振り返りながら、その話を肴にみんなでお酒を飲んで、次はどこの雪山を滑ろうかと話をしながら寝床につき、翌朝起きて朝一のリフトに乗ってまた雪山へと登っていく。


今思い出しても、最高に素晴らしい週末の過ごし方をしていたなあと思います。

旅するような暮らしを求めて起業

32歳の時に映像とWEBとグラフィックツール制作の会社を夫婦で起業。


パソコン1台で仕事ができれば、好きな時に海や雪山と行ったフィールドの近くに休日関係なく滞在することが可能だと思ったからです。


私たち家族のライフワークになっている「旅するように暮らす」は、この時から思い描いていました。


ところが、ネット環境がまだまだ追いついておらず、当時は有線LANが一般的でWifiはまだあまり普及していない時代。キャンピングカーで仕事をするなんて、まだまだ夢の世界でした。


起業しても、しばらくはサラリーマンと違って不安定な生活が続くことになり、とてもじゃないですが、遊びに行ったり、車中泊旅をしたりする心の余裕まではありませんでした。

子供が生まれてからもアウトドアは続ける

1歳になる前から海や雪山へ連れ出す

砂浜で遊ぶ息子


20代に比べるとめっきりアウトドアを楽しむ機会は減ってしまいましたが、このままではさすがに心まで折れてしまう...!


何とか海や雪山へ行く時間とお金を捻出し、行く回数は少なくてもフィールドで遊び続けることだけは止めませんでした。


娘が生まれて半年も経たない時に海へ連れて行ったのを皮切りに、雪山へも出かけました。


夫婦で一緒に滑ることはできずとも、夫婦で娘の面倒を交代で見ながら滑る時間は、昔の最高に楽しかった時を思い出させてくれました。


自然の中で遊ぶことで、天気や風を見ながらフィールドのコンディションを判断したり、怪我や事故・下手したら生死に関わる自然のリスクと向き合ったり、共通の趣味を通してかけがえのない仲間が日本のあちこちにできたり。


学校や仕事では学べないたくさんの貴重な経験を子供たちに自ら教えることこそが、私たちにしかできない子育てだと気づきました。


北海道の旭岳スキー場


そうして、子供たち2人とも、赤ちゃんの時から海や雪山へ連れていき、徐々に私たち夫婦と同じペースでアウトドアの遊びをするように。


ただ、まだこの時は車中泊グッズも今ほど充実していなかったので、小さい子供を連れてバンライフする勇気はありませんでした。


当時の車にはスポットクーラーやFFヒーターも付いておらず、子連れで夏のビーチや雪山での車中泊はさすがにハードルが高かったですし...


私の実家が新潟なので、帰省した際にスキー場や海に通うのが長期休みのルーティーン。


そんな休みの過ごし方が何年か続いた後、ある日とうちゃんがこう言いました。

「もう決まったルーティーンの休みの過ごし方には飽きた!家族でまた車中泊の旅をやろう!今度は日本全国だ」

日本一周を目指して家族での車中泊旅を再開

その当時乗っていた「日産エルグランド」を家族4人で車中泊できるようにして、「四国一周〜太平洋車中泊の旅」へ。


何を隠そう、当時発売されていた「日本一周」がタイトルになった本にとうちゃんが大いに触発されたからです。


2016年のSurftrip JOURNAL

そして6歳と4歳の幼児を連れていきなり1週間の長期バンライフに出発!


今でもこの旅が一番印象に残っています。


この旅をきっかけに、夏休み・年末年始・ゴールデンウィークはすべて車中泊旅に出かけました。

東北一周スキー車中泊旅・九州一周サーフィン車中泊旅など、エリアを限定して1週間から10日間の旅を続けることで、約5年で日本一周を達成!


沖縄を除いて、すべての県をめぐることができました。


高知県仁淀川の河原で車中泊


子供たちを車中泊旅に連れていくことで、日本の国土の大きさを体感したり、肌で気温の違いを感じることができることは、立派な社会勉強になります。


また、車中泊は予定通りに目的地につけなかったり天候の影響があったりと、予想外のアクシデントもしばしば。


家族の協力が必要な場面もあるので、子供たちは自発的に自分達のできることを考えて、手伝ってくれたりもします。


このひとつひとつが成長する機会であり、まさに、昨今話題の「旅育(家族で色々な体験をし、子供の心身成長を促すことを目的とした旅」を実践してきました。

子供が生まれても車中泊旅は続けられる



バンライフをしてきた20年の間に起こったライフステージの変化と、それに伴う旅の変遷。


改めて20年間を振り返ってみると、アウトドアアクティビティを楽しむために車中泊をする、というスタイルはずーっと変わっていないということ。夫婦でやってきたことをちょっとずつ形を変えながら、今度は子供たちが仲間に加わって続けています。


自然の中で遊ばせること、車中泊というスタイルを通じて日本全国に旅に出れること。


これらの経験を子供たちにさせることが、私たちしかできない唯一無二の子育てだと思ってやってきました。


今は若い世代のバンライファーも増え、カップルや夫婦で車中泊する人も多いですが、私たちもアウトドア&車中泊旅を続けたいがために結婚や子育てを先延ばしにして、20代は旅に全力を注いできました。


北海道車中泊旅での早朝カヌー


けれど、子供が生まれても形を変えて車中泊旅は続けることができます。


そして彼らを連れての車中泊はまた別の世界が開いたように感じられ、とても楽しいということに気づきました。


そもそもこんな経験をさせられる親は、子育てしている夫婦の中でも割合的にはかなり少ないと思います。


そこは誰よりも貴重な体験をさせてあげている、と胸を張って言えること。


自分たちの経験してきたことを教えることによって、バンライフの文化を次の世代に継承させてあげたいなと考えています。


娘は中学生になり、部活や友達との約束で一緒に出かけない週末も増えてきました。覚悟はしていましたが、だんだんと彼らも自分の時間を優先していくようになるでしょう。


子育ては有限。だからこそ小さい時にたくさん冒険に連れ出し、一緒に過ごす時間が貴重でした。


これからはまたかつての夫婦でのバンライフに戻っていくだけです。


旅と車中泊とアウトドアアクティビティ。

このスタイルはずーっと変わらず、体が動かなくなるまで続けていくんだろうなと思います。

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