都内発の日帰りドライブ!〝ワッフル型〟の堀探しと小田原城周辺で食べ歩き

国内・海外で年間100以上の城を訪ね、「城と旅」をテーマに執筆・撮影。「サライ.jp」や「城びと」等に寄稿。城のために車も公共機関も乗りこなし、やむを得ない場合はとにかく走ることも。

「城」と聞くとシンデレラ城や姫路城など、建物のお城を思い浮かべる方が多いと思います。実際には、世界遺産登録で注目を浴びている古墳のようなお城から、東京のお台場、渋谷、神楽坂にもお城はあり、全て合わせると4万とも5万ともといわれています。〝ワッフル型のお堀〟として最近人気上昇中の山中城(静岡県三島市)は、建物はありませんが、れっきとしたお城の跡です。


お城はお殿様やお姫様が利用したビュースポット

実は、お城が造られた目的の中に、ドライブにおすすめの理由が隠されています。城の目的は大きく2つあり、「殿様やお姫様の住まい」であることと、「戦うための施設」であることです。「殿様やお姫様の住まい」であるため、お城にはお金がかけられました。おかげで見事な天守や緑豊かな庭園、茶室、四季折々の植物が楽しめるのです。


また、「戦うための施設」であるため、敵に備えて見晴らしがいい場所を選びます。つまり、絶好の展望スポットなのです。さらに敵を寄せ付けないようにするために、アクセスしにくい場所、「車でしか行けない場所」に立地しているのです。



今回は東京都内から1日でまとめてドライブできる、3つのお城をご紹介します。〝ワッフル型の堀〟と〝大地のパワーみなぎる石垣〟そして〝海の幸を楽しむ城下町散策〟をテーマに欲張って回ってみたいと思います。

ワッフル型の堀と富士山が一望できる山中城(静岡県三島市)


都内から東名高速道路の厚木インターを経て、約90㎞で山中城に到着。山中城といえば何といっても、ずらりと並ぶワッフルのように穴がたくさん空いた堀が有名です。ワッフル型の堀は、正式には「障子(しょうじ)堀」と呼ばれます。ワッフルではなく、障子が名前の語源なのですね。



お堀と聞くと、皇居や大阪城のように水をたたえた堀をイメージするかもしれませんが、箱根外輪山に築かれ、標高の高い山中城では、土を掘ってお堀にしました。ただ掘るだけでなく、堀の中をワッフルのようにし、自由に移動できないように工夫したのです。山中城は戦国時代の末期(1560年代)に、小田原城を守るために築かれた山城で、土と堀で構成されており、天守と石垣がないのが大きな特徴です。



天気がいい日には富士山も見えますので、とても気持ちのいい散策が楽しめますよ。


【山中城】

住所:〒411-0011 静岡県三島市山中新田410−4

連絡先:055-985-2970(山中城跡案内所・売店)

駐車場:有り(無料)

パワーみなぎる石に囲まれる石垣山一夜城(神奈川県小田原市)

山中城を後にして神奈川県小田原市に向かいます。小田原といえば小田原城が有名ですが、その前にぜひ立ち寄りたいお城があります。その名は「石垣山一夜城」。名前から、石ばかりあるような物々しいお城が思い浮かぶかと思います。



ところが、実際に駐車場に到着してみると、物々しいどころか、素敵なファームが広がっています。シェフ・鎧塚俊彦氏がプロデュースする「一夜城 YoroizukaFarm」です。予約がなかなか取れないランチは女性客でいつもにぎわっています。また、限定スイーツや、ファームで作られた新鮮な野菜のショッピングが楽しめます。ぜひランチの予約を忘れずに、訪ねてみてください。



食後には石垣山一夜城を散策してみましょう。とにかく石がたくさん積み上がり、ゴロゴロと転がっています。



石垣山一夜城は、全国の大名を集めて小田原城を攻めた豊臣秀吉が、短期間で1590年に築いたお城です。実際には1日ではなく、約80日かかっていますが、それでも石の量を目の当たりにすると、よく短期間に築けたものだと感嘆してしまいます。



最上部にあたる本丸展望台は、小田原市街と相模湾が一望できる絶好のビュースポットです。よく目を凝らしてみると、小田原城の天守もはっきりと見えてきます。豊臣秀吉も同じように小田原城を眺めていたのでしょうか。


たくさんの石があるのは、箱根火山の噴火の影響です。「箱根ジオパーク」に指定されており、大地の力を感じられるパワースポットでもあります。


【石垣山一夜城】

住所:〒250-0021 神奈川県小田原市早川1383−12

連絡先:0465-23-1373(小田原城総合管理事務所 管理係)※小田原城が問合せ先です。

駐車場:有り(無料)

城下町散策と、忍者の着付け体験が楽しめる小田原城(神奈川県小田原市)


石垣山城からも見える小田原城へ。小田原城は四季折々の景色が、石垣や堀とマッチしています。フジが満開の時期などは、和装で記念撮影を楽しむ人々が押し寄せるほどです。2019年4月には「小田原城歴史見聞館 NINJA館」がオープンするなど話題性も抜群。着付け体験ではなんと忍者姿の着付けが楽しめます。



天守の建物の中では、最新の技術を駆使した展示で、小田原城の歴史や美術工芸品にふれられます。園内の常盤木門では、甲冑や刀剣などの武具を展示。刀剣ファンにはたまりませんね。



小田原では、城下町散策もおすすめです。小田原名産の練り製品や干物、ういろうのお店が並んでいます。名物のかまぼこは、揚げたてを食べることができ、やわらかい食感がたまりません。近くの早川港から水揚げされた旬の魚料理もぜひ味わってください。



【小田原城】

住所:〒250-0014 神奈川県小田原市城内6-1

連絡先:0465-23-1373(小田原城総合管理事務所 管理係)

駐車場:有り(有料)

箱根温泉や伊豆半島での宿泊もドライブ旅ならでは


山中城、石垣山一夜城そして小田原城と、それぞれタイプの異なるお城で、景色や独特の構造、グルメなど、建物だけではないお城が1日で満喫できます。走行約200㎞、所要3時間30分が目安になります。


せっかくならもっとゆっくり回りたい!という方には、箱根温泉伊豆半島に立ち寄っていてはいかがでしょうか。車窓やそれぞれのお城から、富士山の雄姿にも注目です。


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