東京出身、箱根移住歴6年のフリーランスライター・カメラマン。複数のWebメディアにて料理・生活・バンライフ・アウトドア等の記事を執筆中。 夫婦でデザイン・DIYしたバンで「休日バンライフ」(車中泊)を日常的に楽しんでいます。
「ポータブル電源」は、いまや車中泊の必須アイテムとして定着しつつあります。
さまざまなメーカーから豊富な種類のポータブル電源が発売されており、スペックや値段も多岐に渡ることから「どのポータブル電源を選んだらよいのか」を悩む方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、ポータブル電源を購入する際に知っておきたい「基礎知識」として、本体のスペックの見方と選ぶ際のポイント、車中泊での使用シーンなどをご紹介します。
ポータブル電源は、本体に充電式のバッテリーを搭載した持ち運びが可能なバッテリー。スマートフォンなどを充電する際に使用する「モバイルバッテリー」よりも大きくて大容量。USBポートだけでなく、AC電源ポートも備わっています。
商品ごとに容量やパワーに違いがあり、販売価格や使える家電も異なります。大容量&定格出力が高めのハイパワータイプなら、電子レンジやドライヤーなど消費電力1000Wを超える電気製品も使うことが可能です。
また、安価で容量が少ないものでも、スマートフォンを10回以上充電できたり、扇風機や電気毛布を3〜4時間ほど使えます。さまざまなメーカーから、豊富な種類の商品が発売されていることから、使用目的や頻度に合わせて、最適な商品を選ぶことができるんです。
現在は、主に車中泊やキャンプなどのアウトドアシーンで注目を集めていますが、災害時や電力不足による節電要請などにも対応することが可能なため、非常時用として購入する人も増えている印象です。
ポータブル電源は、製品によってスペックに違いがあります。購入の際には、以下の5つのスペックについてチェックしておきましょう。
ポータブル電源本体にはバッテリーが内蔵されており、そのバッテリーの容量によって「どのくらいの時間使えるのか」が異なります。
現在では200〜5000Whまでの製品が販売されており、使用目的や用途に合わせて、必要な容量のポータブル電源を選ぶことが可能になっています。
容量が多ければ当然高価格となりますが、その分スマートフォンやパソコンの充電が複数回可能になりますし、長い時間電気製品を使い続けることができます。
容量が少なめのポータブル電源は、比較的安いお値段で購入することができますが、消費電力が低い電気製品であっても長時間使うことは難しいです。
ポータブル電源は、多くの製品で本体容量を「Wh(ワットアワー)」という単位で表しています。Wh(ワットアワー)は1時間あたりの消費電力。例えば、容量が1000Whのポータブル電源なら、消費電力が1000Wの電気製品を1時間使うことが可能になります。
購入時には容量(Wh)の数値をチェックし、利用する予定の電気製品や、使用シーンに合った容量のポータブル電源を選んでくださいね。
定格出力とは、ポータブル電源にある出力ポートから、電気製品に供給が可能な最大電力のことを指します。
計算上は、定格出力が600Wのポータブル電源なら、消費電力(その電気製品を使う場合に必要な電力消費量のこと)600Wの電気製品を使うことが可能ということになります。
ポータブル電源は、定格出力以上の電気の出力ができないため、電気製品の消費電力が定格出力の数値を超えている場合、その電気製品を使うことはできないのです。
また、定格出力と合わせて注目したいのが「最大出力」。電気製品の中には「消費電力は1000Wだけど、使用開始時には2000W必要になる」という製品もかなり多くあります。
そのような電気製品を使用する予定がある場合には、「定格出力1000W(最大出力2000W)」のように、最大出力値の記載があるポータブル電源を選びましょう。
ポータブル電源本体への充電方法も、選ぶ際に欠かせないポイントです。自宅のACコンセントからはもちろん、ソーラーパネルを使用したり、クルマのシガーソケットや発電機からも充電できる商品が増えてきています。
高速充電に対応している製品も多く、「充電を忘れていて、出かける直前に慌てて充電を開始した」というような状況にも対応が可能。
しかし、高速充電に対応している製品であっても、大容量のポータブル電源は満充電までかなりの時間が必要になります。
大容量タイプを購入するなら、高速充電対応の製品を選び、どのくらいの時間で充電が完了するかをあらかじめ確認しておきましょう。
ポータブル電源本体から出力を行う、ポート(差し込み口)の種類と数も要チェック!
現在発売されているポータブル電源は多くの電気製品に対応できるよう、AC電源ポートやUSBポートを多数搭載していますが、差し込み口の数は製品ごとに差があります。
ご自身が使用する予定の電気製品や充電ケーブルをチェックし、どんな出力方法で使う予定があるか、ポートの数がどのくらい必要なのかを、購入前に確認しておく必要があります。
大容量タイプのポータブル電源は本体が重く、サイズもかなり大きくなります。現在発売されているポータブル電源には40kg超えという商品もあり、持ち運びなどを考慮して選ぶ必要がありそうです。
一方、容量が少なく、定格出力も低めの商品は小型・軽量なものがほとんど。軽キャンパーなど小さめの車両内に置いても場所を取らず、自宅からクルマや屋外などへの持ち運びもラクチンです。
大きく・重い製品はハイスペックのため、お値段も高価。小さめの商品は2〜3万円台の商品も多数そろっており、おしゃれなカラー・デザインがたくさんあります。
車両の大きさや車中泊の期間、使いたい家電など、ご自身の好みや生活スタイルに合わせてチョイスするのがおすすめです。
ポータブル電源は商品によって、LEDライトや防水機能、ワイヤレス充電機能などがついています。
購入時にはそれらの機能もチェックし、必要な機能がついた商品を選ぶのがおすすめです。
また、これまでは三元系リチウムイオン電池を採用したポータブル電源が主流でしたが、今後はより長く使うことができ安全性も高いリン酸鉄リチウムイオン電池を採用した製品が主流となると思われます。
購入予定のポータブル電源がどちらの電池を採用しているのかも、確認する必要がありそうです。
3万円台までの低価格のポータブル電源は、そのほとんどが小型・軽量タイプ。定格出力も250〜300W程度、容量も200〜300Whの商品が多く、車中泊をこれからスタートする方に最適です。
1泊程度の車中泊であれば困ることもあまりなく、スマートフォンやパソコンの充電、数時間程度の扇風機の使用など、想像よりも多くシーンで使うことができます。
容量が少ないので「朝方まで長時間電気毛布を使う」といったシーンには向きません。春や秋など、気温の影響が少ない季節の車中泊におすすめです。
5〜8万円程度のポータブル電源は、スペックも中程度といったところ。
容量は500〜800Whの商品が多い印象ですが、最近ではメーカーや通販サイトなどでセールを実施していることも多く、この価格帯で1000Whという商品を入手できる機会も増えています。
定格出力はだいたい600W程度。独自のシステムによって消費電力1000W以上の電気製品の使用を可能にしている製品もあることから、使用する電気製品に合わせて選ぶことも可能です。
サイズや重量は、3万円台の商品と比べるとひとまわり以上大きくなりますが、女性でも持ち運びができるサイズ感になっているようです。
10万円以上の高価格帯のポータブル電源は、ほとんどの製品が容量1000Wh以上、定格出力も1000W以上となっています。
電子レンジやIHクッキングヒーター、ドライヤーやホットプレートなど、以前であれば車中泊で使うことができなかった消費電力高めの電気製品も使用が可能です。
最近では、長期の車中泊やバンライフに最適な容量3000Wh以上の商品も発売されていますが、お値段が30〜40万円ほどするようです。
毎日ポータブル電源を使うバンライファーや、節電対策として自宅でも日常的に使用するなど、使用頻度が高めの方なら、お値段分の価値があるかもしれません。
ここからは、筆者が実際の車中泊で、ポータブル電源をどのように使用しているのかをご紹介したいと思います。
1番よく使用しているのが、車内の温度を調節するための電気製品。夏には扇風機やサーキュレーター、ポータブルクーラーを使ったり、冬には電気毛布や小型のヒーターを使っています。
特に扇風機や電気毛布は消費電力が低いので、容量が少なく定格出力も低めの安価なポータブル電源でも稼働が可能です。
最近は車載冷蔵庫も車中泊の必須アイテムとなりつつありますね。筆者も最近車載冷蔵庫を導入しました。
2〜3泊程度の車中泊の間ずっと稼働させておくために、中〜高スペックタイプのポータブル電源で使用し、途中ソーラーパネルを使ってポータブル電源本体を充電するようにしています。
この際、パススルー充電が可能な製品なら、ポータブル電源をソーラーパネルで充電しながら電気製品を使うことができるので、とても便利です。
定格出力1000W以上のハイスペックタイプのポータブル電源を使えば、電子レンジやホットプレート、ドライヤーなど、消費電力が1000Wを超える電気製品も使うことが可能です。
ハイパワータイプのポータブル電源なら、IHクッキングヒーターも使うことができるので、車内調理の自由度が格段にアップしています。
今回は、ポータブル電源の基礎知識と、車中泊・バンライフでの使用シーンなどをご紹介しました。
現在ポータブル電源は、多くのメーカーからさまざまな製品が発売されています。
今回の記事を参考に、ぜひご自身の車中泊スタイルにあったポータブル電源を選んでくださいね。
東京出身、箱根移住歴6年のフリーランスライター・カメラマン。複数のWebメディアにて料理・生活・バンライフ・アウトドア等の記事を執筆中。 夫婦でデザイン・DIYしたバンで「休日バンライフ」(車中泊)を日常的に楽しんでいます。