東京出身、箱根移住歴6年のフリーランスライター・カメラマン。複数のWebメディアにて料理・生活・バンライフ・アウトドア等の記事を執筆中。 夫婦でデザイン・DIYしたバンで「休日バンライフ」(車中泊)を日常的に楽しんでいます。
千葉から箱根に移住をしてきてもうすぐ5年。
2年ほど前からもっと自然豊かな土地への再移住を検討していたわたしたち夫婦は、休日に車中泊をしながら旅をする「休日バンライフ」を楽しみながら、新たな移住地を探していました。
さまざまな地域に数日間ずつ滞在するたびに、自分たちの「暮らし」や「移住地」に求めるものがだんだんと明確になってきたように感じています。
現在日本を旅するバンライファーたちの中にも、移住地を探しながら旅をしている人がたくさんいます。なによりこのコロナ禍で、都心から地方への移住を考えている方がかなり増えているようです。
今回はそんな「今後移住を希望する人たち」に、わたしたち夫婦が休日にバンライフを楽しみながら移住地探しをしてきた際の様子やポイントと、「バンライフ」が移住地探しに最適な理由などをご紹介していきたいと思います。
車中泊仕様のバンがあることで、「移住の候補地に数日間滞在して現地での生活を体験する」といった過ごし方が気軽にできるようになりました。
数日かけてゆっくりと滞在することで、現地のスーパーの品揃えや日帰り温泉の場所&価格を知ることができたり、お弁当を買ってその土地の食べ物を楽しんだり、平日の道路の混み具合をチェックできたりしています。
もちろんクルマなので、あちこち移動して現地のスーパーやコンビニ、カフェやレストランの場所をチェックしたり、現地で売りに出ている物件や別荘地から商業施設までの距離を実際に移動しながら確認することも可能です。
休日の決められた時間内で行き来できる距離・場所であれば、「行ってみたい!」と思ったとき、すぐにでかけることが可能です。
もともとフットワークの軽い夫婦ではありますが、バンがあることでホテルの予約をする必要がなく、移住地の様子をすぐチェックできるようになったのはかなりの利点でした。
ときには、往復10時間以上かかる場所へ1泊2日でいくことも!2日程度では現地の様子がわからず、また翌週往復10時間かけて滞在、なんてこともよくしているんですよ。
長距離ドライブになるため、途中で休憩・仮眠をしっかり取り、眠気を十分に取って疲れを残さないよう気をつけていました。
ベッド常設なので疲れを感じたらいつでも横になって仮眠を取ることが可能。起きたらすぐ出発できるので、とても助かっています。
わたしたち夫婦は2人とも、とても暑がり。そのため、標高が高いおかげで夏でも涼しく過ごせる「山」が大好きなんです!
海鮮が好きなので海の近くに住みたい気持ちもあったのですが、「夏の暑さに耐えられない・・・」ということで、山の近く&ある程度標高が高い場所を狙って移住先を探しています。
このあたりは個々の好みがあると思いますので、みなさんも山・海含めて好きな場所をたくさんリストアップし、実際に気になった場所に滞在してみてはいかがでしょうか。
実は、海方面にも何度か滞在したことがあります。しかし普段の車中泊旅でも夏場は海の近くは避け、山方面へでかけるようにしているくらいですから、暑い夏に海周辺で車中泊することは、暑がりのわたしたち夫婦には正直厳しかったです。
夏の車中泊は標高が高くて涼しい「山方面」がおすすめですよ(笑)。
山の近くなど標高の高い地域は、夏に訪れるととても気持ちの良い気温で過ごしやすいのが特徴です。しかし秋冬に滞在すると想像よりもかなり寒く、生活するのは難しいと感じることもあると思います。
逆に海の近くに冬場訪れると「温暖で過ごしやすい」と感じるかもしれませんが、夏場は暑すぎてクーラーを使いすぎ、電気代が予想以上にかかったり冷房病になってしまう、なんてことも。
大切なのは、1度滞在しただけで決めず、季節ごとに現地を訪れ季節の違いをしっかりと見極めること。気温差によって厳しいと言われる夏・冬に滞在して「問題ない」と思っていても、実際に生活がはじまるとそれ以上に苦労することがあるかもしれません。
もちろん季節によって大変なことがある分「季節ごとに変わる美しい景色を堪能できる」といった利点もあります。
移住希望先の良い点ばかりに目を向けず、デメリットと思われる部分も注意深く見ることはとても大切です。そうすることで、移住後の失敗を回避することができるのではないでしょうか。
わたしたち夫婦のように山の中や山の近くに住みたいと考えている方は、移住する前に必ず1度は冬に現地を訪れてみることをおすすめします。もちろん、スタッドレスタイヤに履き替えるのをお忘れなく!
雪深い地域ではわりと早い段階で除雪車が入ることが多いですが、それでも路面凍結している場所も多く、住宅地までは除雪車が入らないこともあります。
「どのくらい雪が降るのか」「雪が降っていても安心して車で移動ができるのか」といった点を調べたり、実際に現地に滞在して事前にチェックをしておかないと、「理想と現実は違った」「甘く見ていて痛い思いをした」ということになりかねません。
わたしたちも冬には何度か滞在して雪の量や気温、道路の様子をチェックするようにしています。スタッドレスだけでは対応しきれないほど雪深い地域に行く場合は、チェーンも忘れずにクルマに積んでおきましょう。
現在、観光地箱根に住んでいるわたしたち夫婦。どうして箱根に移住してきたかというと、都会生まれ都会育ちのわたしでは、本当になにもない地方の田舎町では生活できないだろう、という夫の意見からでした。
移住前に夫婦で箱根に滞在した際、「観光地(箱根)ならおしゃれなカフェやレストランもあり、温泉も自然もあって良いのでは」と考え、箱根に移住してきたのです。この考え方は現在も間違っていなかったと思っており、「次の移住地も観光地にしよう」と考えています。
また観光地なら、リゾートマンションや別荘地がある場所がとても多いです。リゾートマンションや別荘地を選ぶことで「観光客」として現地に暮らすことが可能になり、「移住先でなじめない」「住民とのトラブルに巻き込まれる」といったこも、ある程度回避できます。
反対に、カフェやレストランなどは必要なく、広い土地で野菜や果物を作ったり、近隣の住民と深く交流しながら暮らしたいと考える方には、観光地は不向きといえるのではないでしょうか。
温泉好きのわたしたち夫婦は、現在も「温泉に毎日入れる箱根のリゾートマンション」に住んでおり、「次の移住地付近にも温泉があるといいな」と夫婦で話をしています。
移住地探しの旅でも、日帰り温泉施設や温泉旅館・地元民で賑わう格安温泉など、車中泊をしながら実際に温泉施設を訪れています。ゆっくりとお湯に浸かりながら、移住先の情報を頭の中で整理する、なんてこともよくあるんですよ。
わたしたち夫婦が移住地を探す際には、温泉地付近のリゾートマンションや別荘地でも温泉に入ることができるのか、温泉施設までの距離は近いのかなど、温泉に関してもたくさんのリサーチが必要と考えています。
「駅までかなりの距離がある」という地域であっても、車で30〜40分程度で大型商業施設に行けたり、観光地に近い場所であれば、生活に困ることはほとんどありません。
特に別荘地が近くにある観光地では、観光客向けの施設やスーパー、産地直売所などがそろっていることが多く、それらを利用することにより都会と変わらない生活を送ることが可能になります。
たとえば軽井沢付近であれば、アウトレットや旧軽井沢銀座、ハルニレテラスといった観光客向けの飲食店・商業施設も多く存在します。
食材の買い出しだけでなく、雑貨や衣服などを買い揃えることが可能で外食もできる施設が、自宅からクルマで30〜40分程度の場所にあるとかなり便利です。
観光地では都心と違い、夜の7〜8時頃には閉店してしまう施設も多くあります。しかし山の中などは街灯多くもありませんし、道路も真っ暗になってしまいます。夜は早く家に帰って、ゆっくりと休むのが1番安心です(笑)
都会とあまり変わらない暮らしがしたいという方も、移住先では都会との違いを楽しんだり、受け入れたりすることができるかどうかが大切なポイントとなってくるのではないでしょうか。
自分が「好き」と思える場所で暮らすことは、わたしにとってとても贅沢なことであり、幸せに暮らすために必要なポイントのひとつでもあります。
毎日窓を開けてみる景色の素晴らしさや深呼吸したときの澄んだ空気、ちょっとおしゃれなカフェでのランチなども、わたし自身が毎日仕事をがんばりながら健やかに暮らすために必要な要素です。
生活に必要と思えることは個々に違うと思いますので、まずは自分がなぜ移住をしたいのか、移住地ではどんな暮らしがしたいのかを考えるところからスタートしてみましょう。
そこから移住地に求めることを少しずつリストアップしていき、あちこちに滞在して移住地を決めるのが良いのではないかと思います。
コロナ禍ではありますが、焦って移住先を決めて「こんなはずじゃなかった」とならないように、車中泊をしながら少しでも長く現地に滞在し、実際の生活を体験してみてはいかがでしょうか。
▼全国の車中泊スポットはこちら!長期滞在可能な「バンライフ・ステーション」も検索できます。
東京出身、箱根移住歴6年のフリーランスライター・カメラマン。複数のWebメディアにて料理・生活・バンライフ・アウトドア等の記事を執筆中。 夫婦でデザイン・DIYしたバンで「休日バンライフ」(車中泊)を日常的に楽しんでいます。