今回インタビューしたバンライファーは、東京出身のダンサー、かなさん。
新卒で入社3年間アウトドアアパレルブランドの販売員として働いた後、脱サラして旅に出ました。
彼女は今、即興ダンサーとしてバンライフしています。自分にフィットする心地よさを追求する旅の方法として選択した、かなさん流のバンライフをご紹介します。
2020年夏のイベント、「アイヌモシリ1万年祭」への参加したときです。そのイベントであるバンライファーと出会いました。すぐに意気投合し、北海道から暖かい場所へ南下するバンに同乗。約3か月間のプレバンライフを体験した後、一人で「自分に向き合う旅」の衝動に駆られ、年末には車を購入し2021年4月からスタートさせました。
(※アイヌモシリ1万年祭:北海道平取町で毎年8月に行われるアイヌ民族の先祖の供養やカムイ(神)を祀る儀式をするお祭り)
はい。アパレルで8年間接客をしてきたので、外から見える自分は磨いてきました。でもふと、第一印象はめっちゃ好かれるけど、深い人間関係を築けていないのでは?と不安になってしまって…。自分の心を開ける人間関係をもっと築きたいという希望を叶え、そのために自分の知らない自分を開放する旅をしたいと思ったとき、移動ができて自分のスペースを持てるバンライフがぴったりだと思ったんです。
そうですね。バンライフを始めてから、自分と違う価値観を表現している人や、興味や関心が似ている人など様々な出会いがあり、心地よく感じる関係が増えました。出会った人に憧れるが故、自分と比較したり、純粋すぎる人を見ては、「自分はこんなに純粋になれない!」と悲観したりすることも。けれど、私は色んな場面や人と対峙する中で自分の輪郭が見えてくると思っているので、素直に感じた気持ちを受け取るようにしています。自分と向き合うことは苦しくもありますが、仕事を年の半分程度に減らし、自由で動きやすくストレスのない状態だからこそできることだと感じますね。
自分の自己表現がダンスだと気づいたからです。バンライフは自由なので、行く先は自分の選択です。興味のあるところへ行くので、自分に必要な人しか現れなくなってくると感じます。私の場合、「自分を生きる」を体現している人々との出会いがありました。旅の中で出会う人たちはみんな、絵や文章、踊りなど、それぞれ自分の表現をしている人たちばかり。私は自分を出せないことに悩んでいたので、どうしてそんなに自分を表現できるのだろう?と考えました。そして、自己表現が当たり前の環境の中で、ふと、自分も踊りが好きだったなと思い出し、勇気を出して気持ちに素直になって踊ってみたんです。
すると、「踊っていときが自分らしくいられる」ことに気づきました。言葉ではうまく言えませんが、「これが自分だったんだ!」と今まで無意識に抑えていた自分が開放されて喜んでいる感覚です。それと同時に今の自分にできること、したいことは、即興ダンサーとして踊る私を見て、自分の表現したい人の背中を押せる場(イベント)を作ることだと感じました。周りの人たちのおかげで自分の表現に気づけた。今度はその「きっかけ」を私が作りたいんです。
私は、今すごく人生が豊かになりました。「こんな私でいていいんだ。」「これでいいんだ。」って思えるようになったんです。この感覚を必要とするたくさんの人に体感してもらうため、私は、これから日本をもっと踊れる国にしたいです。
やはり、車という安心できるプライベートスペースがあることです。バックパッカー旅では人の世話になることも多く、ありがたい反面、安心して一人でいる時間がとれないこともあったので。それに、数年前ワーキングホリデー中に農場で12時間働きながらテント生活をした経験があり、それに比べると車での生活は快適そのもの。バンライフは一人の時間が寂しいという人もいるかもしれませんが、強制的に一人になれることが私にとってのメリットです。不満をあげるとすれば、ガソリン代が高いくらいですね(笑)
はい!海外のインスタグラムを参考に好きなアジアン雑貨の似合うバンに仕上げました。車はSUBARUのクラシックカー「サンバー」。神奈川県にある廃材エコビレッジ「ゆるゆる」という全てが寄付で成り立つ村で、偶然整備のプロが所有していた車を譲ってもらいました。古い型が可愛いですよね?ワインレッドのような味のあるカラーはもともとの色なんですよ。
全て廃材で作りました。私にDIY経験はなく、工具に触るのも初めて。周りの人にイメージの具体化の方法をアドバイスしてもらい、約4日間かけて一人で仕上げました。こだわりだすといくらでも時間をかけられますが、私の目的はDIYではなく旅だったので早さ重視です。
(※廃材エコビレッジ「ゆるゆる」:限界集落の廃工場で廃材を集めて作り上げられたエコヴィレッジ。廃材を使ったアートなリノベーションや、地域活性も兼ねたコミュニティースペースとしても利用されている。)
いろいろありますが、一番は環境について本気で考えるようになったこと。価値観の変わり目はワーキングホリデーです。それまでは地球環境に対して考えたことはありませんでした。人間が自然に生かされていることに気づかされたり、ビーガン(完全菜食主義)の人に出会ったりした経験が大きいですね。帰国後は出国前と同じ暮らしをしていましたが、今では原始人のような生活をしています。(笑)
家ではゴミを出すのは普通のことだし、「水道に歯磨き粉流したらいけないな」なんて思わないですよね?でも、自然に近い生活をしていると土に変なものを入れたくないと思うようになりました。今では歯磨き粉も麻炭と重曹で作った自然由来の歯磨き粉に。「環境を考えないと!」ではなく、自然に環境に負担のない方法を考えたいと思うようになりましたね。
はい。生活冒険家の赤井成彰さんが中心となって村づくりをしている「モバイルヴィレッジぼちぼち」で、お風呂は「川」というものすごく自然に近い生活を送っています。自然のまん中にあり空調機はないので、夏の間は暑くて大変でした。近くに川が流れているので、冷たい川のそばで過ごすことがほとんど。自然の中で、私は川が好きなんです。海は不規則な流れがあるから少し怖さがあって。一方で、川は一定の流れがあるので見ていてほっとします。それに川の水だと身体もベトベトしないでしょ?(笑)
移動は基本的にご縁で、人を尋ねていくことが多いです。そして、出会って話して、感じるいろいろな現象の中で自分を探しています。あとは、仕事での移動です。農業バイトなど自然に触れる場所へ移動しています。
バンライフは「場所を変えられる拠点」があり、拠点があるけど動くことができる。バンライフは地球が家って感覚なんですよね。それが体感できるのが面白いので飽きるまでやろうと思っています。いつかは田舎に定住したいと思っているので、自分に合う場所探しも兼ねています。出会う人がみんな純粋でユーモアや優しさに触れることがあり、関西は自分に合っている感じがしました。特に和歌山が気に入っていますね。
自分探しをしたい人や、当たり前に感謝したい人におすすめです!車生活では、家に当たり前にあるインフラが無いので自然と密接な生活になり、土に還す物を考えたりと自然と環境について配慮したいと思うようになりました。他にも、必要最低限しか持ち歩けないミニマリスト生活を通じて所有に対して柔軟に。面白いことに、物が少なくなり不自由かと思いきや、逆にどんどん自由に近づいていく感覚があります。
あとはなにより、旅を通じて感じる色んな人ご縁や巻き起こる現象から自分を知れる事。「こんな事に感情が反応してる!!」、「自分は本当はこれが好きなんだ!」、「愛とはなにか」(笑)最近はそれを探求していくのが楽しいです!!地球が家。自分の人生を自分で舵を取る感覚。そんな体験の旅ができるのがバンライフです。何かひとつでも体感したい方、ぜひ、バンライフに飛び込んでみてください。
即興ダンスの出演依頼もお待ちしています!連絡はInstagramのメッセージからお願いします😊