災害時にキャンピングカーにできること~台風15号の災害支援活動を経験して~
災害時にキャンピングカーにできること~台風15号の災害支援活動を経験して~

災害時にキャンピングカーにできること~台風15号の災害支援活動を経験して~

2020年12月6日
暮らし

2018年11月から家を断捨離して、中古キャンピングカーでバンライフ&リモートワークをしながら日本一周をしています。

家を断捨離して中古キャンピングカーで日本一周中、ガタガタGOGOむっちゃんです!今回は少し真面目に「車×防災」の紹介です。

キャンピングカーでバンライフ・車中泊生活をしているとよく「趣味・遊び・車の中で寝るなんて変なことをしてるね」といわれます(笑)


しかし昨今の災害大国になりつつある日本は、いつどこで災害が発生してもおかしくない環境になっていると感じます。

そんなとき、車は、いざというときに助けてくれるアイテムのひとつ


今回は、台風被害後の停電エリアでキャンピングカーで支援協力した経験をご紹介します。

キャンピングカーの代名詞は、娯楽道具?


みなさんのイメージするキャンピングカーとは、どういうイメージでしょうか。

裕福でお金持ちの代名詞?大型連休に出かける道楽の車?

いずれの場合も、キャンピングカーは「遊びの車」と見られることが多いです。


365日キャンピングカーで生活する私たちにとっては、キャンピングカーは移動する"家"そのものです。


かつては私もキャンピングカーに乗る前は「キャンピングカー=お金持ちの娯楽道具」という感覚でした。そのため、今回の台風被害に遭った被災地に入る際も「この大変な状況のなか遊びに来たのか、と叱られてしまうのではないか」と、不安を抱きながらの活動となりました。

台風上陸後の被害状況を目の当たりにして


忘れもしない2019年9月、千葉県に台風15号が上陸しました。


最大瞬間風速57.5m/sを記録し、観測史上1位。

千葉だけでなく首都圏や静岡県でも死亡・重軽傷者の人的被害、そして木や電柱が倒れて道を塞ぎました。屋根瓦がはがれるなどの建物損壊の被害も多く発生しました。大規模な停電や断水が発生し、2020年秋現在も、建物損壊の被害については未だに修繕完了していません。


台風上陸から2日目には「道路が寸断されている」という情報があったので、私たちはニュースやSNSで情報収集しながら、出発準備に備えました。


我が家のキャンピングカーは車高があるため、あまり小回りが利く車体とはいえません。行って邪魔にならないようにはどう動けばいいのだろうか、と考えていました。


一抹の不安を抱きながらも情報収集を続け、まずは千葉県南部の市役所の指定場所へ向かうことにしました。

 

移動中に見た街中の景色は悲惨で、木や看板は根本から横たわっており、日本一周開始後に初めの訪問先だった千葉県の見知った景色とはまったく異なっていました。家の屋根や壁は崩れ落ち、リゾート地の看板も飛んでいて、海沿いは潮の香りよりも土の香りがしました。そして、ぶつかり合う木々の香りも。


ある場所では棚が逆さまになり、屋根瓦が落ちて粉々になり、それらが道路沿いに広がっていました。


この景色を見た瞬間、私は「これは普通の台風じゃない。大きな災害だ。」と感じました。

支援活動と発電機の威力


私たちは停電3日目に千葉入りしましたが、高速道路のサービスエリアも停電していました。

この日の気温は32度、前日は34度以上と高温で、停電エリアでは暑さで体調を崩してしまうかたも多かったようです。


千葉県南部の市役所窓口から「物資が少ない施設への供給と、電源を提供する車としての加勢」としての許可をいただけたので、指定された場所に向かい、支援活動をしました。


日が暮れてしまうと停電している地区は真っ暗で、どこに建物があってどこが道路なのかもわかりませんでした。

 


停電4日目の朝。

市と市の境目部分が物資の行き渡っていないスポットになってしまっているという情報を聞き、ひとまずそちらの地域へ向かいました。


移動中に人を見たので困っていないか訪ねたところ、駐車場を貸していただけることになったので、その場でこの日の支援活動開始です。


ここでは主に携帯電話・スマホの充電・炊飯器を炊くお手伝いをしました。また、日本一周中に愛用しているポケットWi-Fiが奇跡的に電波を拾っていたので地域のかたに解放したところ、4日ぶりに県外のお子さんや親戚に連絡が取れたと涙されるかたもいらっしゃいました。


この日は朝から夕方までずっと発電機を使用した支援活動をしましたが、発電機搭載型キャンピングカーの偉大さを実感。

まさかキャンピングカーの発電機をこんなに長時間回しっぱなしにする日がくるとも思わなかったし、こんなに大勢のかたの生活のお手伝いをする日がくるとも思っていませんでした。


「4日ぶりに温かいご飯が食べられる。ありがとう。」の言葉には、胸にこみ上げるものがありました。


私たちの普段の生活では、温かい食べ物や冷たい食べ物をいただけるのが当たり前になっています。しかし、不測の事態に陥ると、この当たり前が本当にありがたいことなのだと痛感します。



停電5日目。

この日も報道で情報が上がっていない地域に向かい、前日同様に一番最初に出会ったかたに声を掛けたところ駐車場を解放してくださいました。


発電機による携帯・スマホの充電・お米の炊飯をお手伝い。ここでも「5日ぶりに温かいご飯が食べられる。おかずになる物は(冷蔵庫が使えないから)ダメにしてしまった。缶詰があったら良かった。」とみなさん口を揃えておっしゃっていました。


また、停電は3日目までは「もう復旧するだろう」と思えたものの、4日目に「もしかしたらまだかもしれない」と我慢できなくなり、5日目に少し諦めの気持ちが見え隠れしているとのお話も聞かせていただきました。


断水しているエリアにも伺い、キャンピングカーの清水&温水タンクからお水の配布もし、わずかばかりですができる限りのお手伝いをさせていただきました。



連日、日没後も至る所に県外ナンバーの電気工事車両が何台も復旧作業をされていました。北は青森、南は福岡ナンバーまで応援に駆けつけている姿を見て、涙がこみ上げてきました。


きっと県外から応援にいらしている工事車両の方にもそれぞれに家族がいるはず。

いつまで拘束されるか不透明のなか、みなさん夜通し作業をしてらっしゃいました。


また、大手飲料メーカーさんは早々に停電エリアに飲料の支援をされていました。


報道されていないあの日あのとき、各々ができることをしようと、現場の人々は一致団結していたのです。

災害支援に役に立った発電機のデメリットと日常生活


私たちが中古キャンピングカーを選んだ理由はいくつかありますが、そのうちの1つは発電機が搭載されていたから。


発電機の燃料は車のエンジンと同じ燃料タンクから供給されていて、車内(室内)からボタン2つで発電機を稼働できるので、操作の手軽さが便利なポイントです。


しかし、発電機の最大のデメリットはその音。静かな夜に発電機を稼働させようものなら、エンジン音がするうえ、排気口の近くは排気ガスの臭いも発生します。つまり、発電機を使って良いと公言してくれる場所以外は普段使いすることが非常に少ないのです。


今回のように発電機が長時間稼働したのは初めてのことで、フル活用できて、しかもそれが支援のために使えたのは、あって良かったと思える瞬間でした。

停電・断水時にキャンピングカーオーナーさんができる支援


キャンピングカーの機能も車体によってさまざまですが、水タンク搭載型の車両であれば水の支援ができます。


車体から車外へ電源供給できるのなら、電源車として支援できます。

サイドオーニングがあれば日除けにもなります。

冷蔵庫があれば、氷や冷たいものを支給できます。


インバーターや発電機でエアコンをつけて車内を解放するのも良いかもしれません。

レンジが載っているなら、食事を温めることもできます。


どれも個人で行うには小さいことかもしれませんが、必要とする人から見たら、全て助かるありがたいアイテムです。

停電・断水時に車中泊ユーザーやバンライファーが出来る支援

車中泊ユーザーの皆さんはキャンピングカーユーザーの方よりもDIYのスキルや既存機能の応用力が高く、さまざまなアイテムをお持ちだと思います。


特に、ポータブル電源やソーラーパネルは現在の電気のある生活に慣れている私たちにとっては最強のアイテムとして活躍してくれるでしょう。最近では電子レンジを動かせるポータブル電源もあるので、常に充電しておけばいざというときに助かるでしょう。


また実際の有事の際、普段から車中泊をされているかたであれば、車内が自分のプライベート空間として機能するため、いくらかのストレス軽減にもつながります。

キャンピングカーでの支援活動を終えて


実際に私たちが活動するなかで、支援活動自体に嫌悪感や疑問を抱くかたもいらっしゃいました。また、「個人で活動しては現場を混乱させているのではないか」という批判もありました。


私たちも初めは大きなキャンピングカーで現場に行くかどうかを迷いました。


けれど、もし自分たちが報道もなく市からの視察もない場所で困っている立場だったとしたら、自分たちだけで生き残れる自信はどんどん失っていくのではないかと考えました。


結果として、自分たちのできる範囲でお手伝いをしようと決め、市の窓口に動き方を共有してもらいながら行動することにしました。


スーパーで食材を買ったり、コンビニに立ち寄ったりすることもできない、服を洗ったり、買ったりすることもできない、車のガソリンを給油するのもできない…

もしそうなったとき、人は、きっと助けを求めたくなるのではないでしょうか。


現代に生きる私たちは、誰も一人では生きていないはずです。困ったときは「助けて」と声を出しても良いのではないでしょうか。

そして、困っている人がいたら、手を差し伸べても良いのではないでしょうか。


生きている者同士、お互いできる範囲で助け合いをする。

心の片隅に少しだけでも人を思いやる気持ちをもつ人でありたいと、私は思っています。

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